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心霊

うしおさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

天井
短編 2025/01/10 00:13 191view

私が中学生の頃に体験した出来事です。

部活を終えて学校から帰り、夕食を済ませて布団に入りました。
その頃の私は遅い時間まで起きている事が多かったので、大体夜中の一時頃だったと思います。

目を閉じて仰向けに寝ていると、急に身体が動かなくなってしまいました。

そして、何かの気配を感じました。

私は確かめようと、動かない瞼を必死に開こうとしました。
天井から視線を感じます。

怖々と目を開けると、天井から黒くて長い髪が私の顔の前に垂れ下がっていました。

天井からは顔が飛び出しており、窓から入る月明かりに薄く浮かび上がった顔の青白い女が、長い髪の中央でじっとこちらを見ています。

目が合ってしまいました。

視線を逸らすために身体に力を込めます。
横向きになろうと、少しずつ、回転します。

ようやく身体の向きが変わっても、視線が気になり眠れません。恐怖に耐えながら朝を迎えました。

次の日からは、横を向いてから寝ました。

一時頃になると、やはり彼女が現れます。

また同じように身体が動かなくなりました。

目を開けて、眼球だけを天井へ遣ると、長く垂れた髪が見えました。
動かない身体は震えることすら出来ません。

そんな日々が三ヶ月ほど続き、何でもないある日を境にそれは見えなくなりました。

ふと考える時があります。

彼女は子供の時にだけ見える存在で、本当は居なくなったのでは無くて、今でも天井からじっと私を見下ろしているのかも知れないと。
 
十年経った今でも、寝る時は横向きです。

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