究極の事故物件の話
投稿者:ねこじろう (153)
長編
2025/01/02
16:32
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「間取りは4LDKで、このソファーセットも向こうのダイニングテーブルもエアコンも、主な家財道具は全て最初からオプションだ。
しかも最寄りの地下鉄までは徒歩1分。10階だからサッシ窓からの眺めは最高なんだ。
それで家賃は、、、」
ここで彼は一息つくと、俺の顔をまじまじ見ながらキッパリ言った。
「税込4万」
一瞬場の空気が止まる。
俺はしばらくあんぐりと口を開けっ放しになった後、ようやく一言「嘘だろ?」と返した。
「だと思うだろ?まあこれくらいの物件なら、普通に月15万は下らないだろうな。実際ここ以外の部屋は全てそうらしい」
「ということは、この物件は?」
「そう、事故物件というやつだ」
「事故物件?」
「ああ、ちょっとこっちに来てくれ」
そう言ってから桜庭は立ち上がると、さっさとリビング入口に向かって歩きだす。
意味も分からず俺も後に従った。
彼は廊下に出ると、廊下沿いの左手一番手前の部屋のドアの前に立つ。
そしてノブを回すと、ゆっくり開いていった。
※※※※※※※※※※
俺は彼の背中越しに恐々室内を覗き込む。
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