オケラ、地面を掘ることに特化した虫。
ダイダラボッチ、地面を掘った土で山を作り、掘った後は湖になる。
その伝説を残した神の正体があの虫だって言いたいのかこいつは。
そこでまた1つ疑問が生まれた俺は投げかけた。
「いやでも、だとしたらちっちゃくねーか?」
こいつはどう見ても10mそこらの大きさしかない。
いや確かに大きい、大きいのだが、富士山を初めとした山々を作るにしてはサイズが足りないのでは。
鎖はまたしばらく黙った後に小さく答えた。
「昔は、沢山いたのよ…きっと」
「沢山……アレが!?」
この巨大オケラが昔は沢山居たって事だろうが。
なんだか想像すると虫嫌いでなくとも身震いしてしまう光景だった。
「じゃあ、どうして数が減っちまったんだ?」
俺がそう質問した、そう質問したはずだ。
すると鎖の腕に巻かれたソレがより一層強く、バチバチと金属音をがなりたて始めた。
目の前のオケラは羽をバサッと広げ始める。
何度かバサバサと動かし始めた。
「あっ…飛び立つ」
俺がそう呟いた。
その少し後で鎖がどうして数が減ったんだという俺の問に小さく呟くように答えた。
「捕食者」と。
巨大オケラはビルの側面を蹴り上げ飛び立とうとした、その瞬間だった。
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けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?