「…………」
鎖のメイド姿を見やる。
それは俺なんかより何倍も似合っていた。
もしカメラマンがこの場に居れば、そのカメラマンが普段どんなジャンルの被写体を撮る事を生業にしていようと関係なく、おもむろにこの鎖をカメラに収めた事だろう。
自分が普段着ている物と同じデザインをしているとは思えないほどに、それは様になっていた。
「どうしたの、ぼーっとしてる暇は無いわよ」
鎖はそう言いながら俺のメイド服の裾をクイクイと引っ張る。
あーくそ。
あー、くそくそくそ。
あーもう、可愛いなこいつ。
それは、惚れた弱みというやつだった。
俺はおもむろにスマホを取り出した。
「なぁ鎖、急で悪いんだけどさ、自撮りしね?」
その提案に鎖は「なんで?」と言わんばかりの面倒くさそうな顔をした。
「なぁ頼む!1枚だけ!な!」
鎖はしばらく七面倒臭そうな顔で俺を見ていたがしばらくして嘆息した。
「はぁ……まぁいいわ……さっさとしなさい」
「やった」と俺がスマホを内カメにして構えると鎖はしずしずと俺の隣にきてそれなりに可愛い顔で表情を固定した。
パシャリというシャッター音が部屋に木霊する。
俺の顔はまぁまぁな感じで写ったが鎖の顔はというとそれはそれは最高の1枚絵となった。
この話は怖かったですか?
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けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?