不満げな顔の川口を後目に、つり上がった一重の目をさらにつり上げて日村はさらに続けた。
「よし!もし俺が死んで仮に『幽霊』とやらになったら、真っ先にお前のところに行ってやるよ。
まあ、あり得ないけどな」
そう言ってフフンと鼻で笑うと日村は立ち上がり、次の講義のある教室に向かった。
それが川口が日村を見た最後だった。
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その3日後……
日村は死んだ。
交通事故だった。
自宅のマンションを朝自転車で出掛けようと飛び出したとき、たまたま通りかかったトラックにはねられたらしい。
即死だったそうだ。
本当にあっさりとした最期だった。
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日村の実家は大学の近くだったから、通夜も葬儀も大学近くの葬儀会館で行われた。
葬儀は家族だけで行いたいということだったので、川口は日村と共通の友人である沢田と通夜に出席するため夜の7時に待ち合わせをして一緒に葬儀会館に行った。
小学校の教室くらいしかない葬儀場の奥にこじんまりとした花壇が作られていて、真ん中に日村の遺影がぽつんとあり棺が置かれていた。
その前には20個くらいのパイプ椅子が整然と並べられていたが、人はパラパラとしかいない。
本当にひっそりとしたしめやかな雰囲気であった。
川口たちは焼香をして合掌し、日村の両親や親戚にあいさつして会館を後にした。
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2人は大学の寮までの狭い道を並んで歩いていた。
本当に幽霊になって現れたな…
逝っても約束は守るいい友達だな…
意外と律儀なやつでした(笑)
━ねこじろう
怖いのかはわからないけど、良いやつだよ日村は(;_;)