視線
投稿者:たち (15)
彼女を怖がらせないように、わざと明るく振る舞いました。
2人でベットに入り、電気を消し、彼女の寝息を聞きながら、
「前にも、友達が同じようなこと言ってたな…」
と思い、暗闇の中、テレビを見ましたが特に変わった様子はありませんでした。
その後、仕事が忙しくなり、帰宅後すぐに入浴し就寝という生活が続いていました。
ある休日、外出することもなく一日中寝て、
「明日からまた仕事か…だるいなー…」
考えていました。
そろそろ寝るかーと思い、目を閉じて、上半身を伸ばして、前を向き、息をふぅーと吐いた瞬間、体が固まり動けなくなりました。
目の前の消えてるテレビ画面に、自分の顔が写ってるのを見た瞬間でした。
テレビ画面に映っている自分の目と目が合って、そこから視線を外せなくなりました。
見つめ合ってる目が、自分の目じゃない…
誰?
怖い…
体が動かない…声も出ない…
そんな状況が数十秒続いて一瞬、瞬きをした瞬間に体が動くようになり、テレビ画面に映っていた誰かの目も消えていました。
その後は、テレビ画面を見ないようにタオルで隠していました。
数日間、テレビを付けない期間が続き
「あの目…どこかで…」
と思ったので思い出してみると、
「とうさん…の目もとに…」
小さい頃に見た目元に似ていると気づきました。
「とうさんは、今でも見守ってくれてるんだ…」
と思いながら生活を送ることにしました。
ある日、仕事の失敗から落ち込み、精神的に参っていた時
「とうさんに会えるかな…」
と思い、何も映ってないテレビ画面を見つめ始めました。
数分…数十分…
同僚のオカン、嫌な女だな。普通我が子に曰く因縁付きのテレビなんか押し付けるか?
視線の正体は・・・
まじ怖杉慎
お母さんは知ってたのかなあ