懲りない3人のストーカー
投稿者:ねこじろう (144)
以下に挙げる作品は、わたくしがこれまで挙げたストーカーたちの中でも特に懲りない3人です。
それでは、お楽しみください。
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その1…
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「お姉ちゃん、どうやら私の行動、筒抜けみたいなのよ」
東京で一人暮らしをしている今年29歳になる妹からライン電話があったのは、昨晩のことだ。
どうやら最近元カレによるストーカー被害を受けているみたいということだった。
私は尋ねてみる。
「筒抜けって、いったい、どういうことよ?」
「あのね、先日仕事から帰った時アパートの集合ポストを覗くと奇妙な白い封筒が入っててね。
宛名を見ると、なんと去年別れた篤志からのもので、中の便箋には、最近お前ちゃんと晩飯食べてるのか?インスタントじゃあ栄養つかないぞって書かれてて、、、
確かに私、その日の前日の晩御飯は疲れていたからカップ麺だったのよ。
それまでも無言電話とかはあったんだけど、今回のはさすがに度を越してると思ってね。
あいつ、私の部屋に盗聴機とか仕掛けてるのかな?
それともまさか天井裏に潜んでいるとか?
ああ、気持ち悪い、気持ち悪い、、、
お姉ちゃん、私どうしたらいいのかな?」
妹の元カレは板前だったそうなのだが、異常に粘着質で短気な性格だったようで、3年ほど前、当時勤めていた店の大将と口論のあげく包丁でケガを負わせ、しばらく刑務所に入っていたそうだ。
そんなこともあって去年の始め、最終的には別れたそうなのだが、それからもちょくちょく連絡があって復縁を迫られていたようだ。
「弘毅さんには相談した?」
弘毅さんというのは、妹の新しい彼氏だ。
最近お付き合いしだしたようで、私はまだ会ったことがない。
とても優しい彼氏らしく、妹が仕事で疲れている時とかは代わりに掃除とか晩御飯の準備とかまでしてくれたりするそうだ。
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