20代も終わるってのに、彼女の一人もいない哀れな男の話。
怖い話ではないかな。
子供の頃、お盆の時期は毎年必ずじいちゃんちに行ってたんだ。
都会生まれ都会育ちの少年にとって、
夢にまで見た大自然の世界なわけで、毎年すごく楽しみだった。
小学校5年生の年、従兄や親戚と川で遊んだり、
神社で缶蹴りしたり、スイカ食ってアイス食って田舎の夏を満喫してた。
その年は他の親戚が一足早く帰ってしまって、遊び相手がいなくなっちゃったんだよね。
まあ一人でも川遊びやら虫取りやらやれることはあったけど、
危険だからって行かせてもらえなかった。
大人たちが楽しそうに昼間から宴会してるけど、
正直子供からしたらなんも面白くないし、酒臭いし。
隙を見て神社に行ったんだ。
すると、意外にも他に子供がいて、
一緒に遊ぼうと声をかけると快く受け入れてくれた。
同じ年の女の子と、その子のお兄ちゃん。
お兄ちゃんは中学生くらいに見えた。
女の子は都会にはいないような古い名前だった。
すごくかわいらしい子で、見た瞬間惚れる勢いだったよ。
田舎だからかすごく訛りがきつくて、時々何言ってるかわからなかったけど、
さすが子供同士。すぐに仲良くなった。
鬼ごっことかかくれんぼは知ってたんだけど、缶蹴りは知らないみたいだった。
いつも神社の木陰から見ていて羨ましかったらしい。
缶蹴りのやり方を教えて夕方まで思いっきり遊んだ。
次の日から、毎日じいちゃんちを抜け出しては一緒に遊んだ。
滞在最終日、すごく寂しかったけど、また来年もここで待ってるからと慰められ、
涙ながらにお別れした。
翌年、夏休みが始まると同時にじいちゃんちに行きたいとせがんだ。
両親はお盆しか休みじゃないから、一人でもいいからお願いお願いと駄々こねた。
じいちゃんに母が電話すると、孫がそんなにきたがってるならと、
次の日に軽トラで迎えに来てくれた。
怖いより悲しいの方かな
せつない…
切ないなぁ
打ち上げ花火の歌詞が頭をよぎったね
切ない
いい話だなぁ!
純愛だね!
切替えてこー
切ないけど、いい話!映画にして欲しい。
何度見ても悲しい蛍火の杜を思い出した。