競馬で勝つ方法を見つけたA君

意味不明だった、Aの馬券で何で払い戻せるんだ？

俺がなんか言いかける前にAが喋りだした。

Ａ「早くずらかろう」

俺「なんだよ！何でテメーだけ当たってんだよおかしいだろ」

俺はそんな怒りをＡにぶつけたが一瞬で冷静になった。Ａの顔がおかしいんだ。

この世のものじゃないみたいな顔してたからだ。例えるならおチョナンさん？みたいな顔。

俺はＡを突き飛ばしてしまった。無我夢中で走り続けた。それで違和感の正体に気づいた

人っこ誰一人いないんだ。なんか後ろから追いかけて来てるような気がしたが、振り返らなかった。

見たくなかったし振り返ったら終わりな気がしたからだ。競馬場を走って出る時だった。心がフッと軽くなった感じがして周りを見たんだ。そしたら周りに人がいたんだ。なんか元の世界に帰ってこれた実感があって安心した。

少し（数十分程度）休んで落ち着いたとき知らないオジサンに話しかけてた。

俺「ちょっといいですか？」

オジサン「なんだよ？」

俺「3レースの結果ってどうなりましたか？」

オジサン「大荒れだよ穴の12が来ちまったせいだ。」

俺「僕１３買ってたんですけど、どうでした？」

オジサン「はぁ？」

オジサン「新聞見してやるよ」

俺はゾッとした。3レースは12頭立てのレースだったからだ。

オジサン「もう俺は次のレースやるから」というとどっかに行ってしまった。

俺は立ちすくんでいたときだった。誰かが俺の名前を呼びながらこっちに向かってくることに気がついた。俺はまたしてもゾッとした。Ａだったのだ。でも不思議と安心することになった。いつものＡっていう感じがしたからだ。

Ａ「お前どこ行ってたんだよ。3レースの途中でいなくなってたけど」