誘拐されたA君
投稿者:Mine (24)
短編
2024/09/01
16:05
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「なんで俺があんな気味悪い目に遭うのか分かんないんだよ。祟られるような事をした覚えは全くないわけだしさ」
唯一思い当たるのはあのテレビだという。あのテレビはリサイクルショップで買った中古の物で、もしかしたらなにか曰くが付いていたかもしれない。
そう考えテレビはすぐに処分し新しい物に買い換え、それから寝るときは必ずテレビを消すようになったとのこと。
現在までに坂口さんは怪異には見舞われていない。
「でさ、あの後気になって一応俺調べたんだよ。あの事件。そしたらどうなったと思う?見つからないんだよ、そんな事件。それなりに時間かけて調べたのにおかしいだろ?該当するような事件が過去に起きてないみたいなんだよ。A君の名前さえ覚えてればなぁ。なぜかA君の名前が出てこないんだよね。俺結構物覚えいい方なんだけど」
坂口さんはたばこを咥え紫煙を吐き出した。
「・・・ま、なんにせよあんな体験は二度としたくないな」
と、坂口さんは話を締め括った。
きっと作り話なんだろう。坂口さんは俺がこういう話を好きなのを知っているから。
むしろ作り話であって欲しい。
じゃないと、あの深夜に流れたというニュースは現在既婚の坂口さんにとって多分、洒落にならないものかもしれないから。
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