ゴメンナサイ
投稿者:ねこじろう (138)
そして息子がそろそろ退院というタイミングで俺は、理菜から深刻な顔で一緒に付いてきて欲しいところがあると頼まれる。
そこは妻が出産前からお世話になっている婦人科の病院だった。
診察室の椅子に座った俺たち夫婦の前には、院長が座っている。
白髪交じりの長髪で銀縁メガネをかけ、年齢は40歳くらいか。
理菜が不妊で悩んでいた頃から相談に乗ってくれていたという人だ。
院長が深刻な面持ちで切り出した。
「理菜は、、、いや理菜さんは恐らく乳ガンと思われます。これからさらに精密に検査しますが、もしかしたらかなり進行しているかもしれません」
院長からの説明を呆然としながら聞き終えた時、俺は何気に彼の目の前にあるホワイトボードの下部に貼られた数枚の写真に視線をやる。
そこには院長と奥さん子供とが並び微笑む様子が映っていた。
院長はかなり高身長のようで、隣に立つ奥さんとは頭一つ以上高い。
ポロシャツを着て寛いだ様子をした院長単独の写真もあった。
その写真に映った院長は、目の前のような長髪でメガネをかけておらず、オールバックで口ひげをたくわえている。
俺はその写真を見た瞬間、その顔をどこかで見たような気がした。
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病院から自宅に帰る車の中でハンドルを握る俺は、助手席の理菜に打ち明ける。
それは前々からずっと気になっていたが、胸に仕舞っていたこと。
「ところで一月前に新一が病院に運ばれた時なんだけど、医師から輸血の話をされてな。その時、新一の血液型がABだということを聞かされたんだ。
ところで俺はA型で確かお前はO型だったよな。
なあ、これっておかしくないか?」
俺の問いかけに対して理菜は答えることはなく、ただじっと俯くだけだった。
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その日の晩、俺は奇妙な夢を見る。
そこは何処だろう?
ただの糞女ですやん
遺伝子検査は抜かりなくやっておかないとね☺️
托卵完了