本当にあった?幽霊との会話
投稿者:牧芭之ちぃ (4)
怒りが闘志に変わりました。
私になにがあろうとも、この可愛いRちゃんだけは守らなければならない。
這い上がってくる女。
私は覚悟と共にその女の目を思い切り睨み付けました。
「…………どうして驚かないの?」
え?
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「さきほどは申し訳ありませんでした……」
「ああ、いえ……」
Rちゃんを抱っこした私はベッドの上に正座し、同じく正座した女性の霊と対峙していました。
あの後、私の上から降りた彼女は足首を離し、金縛りもなくなったのです。
なくなったのですが、彼女は「ごめんなさい」「申し訳ない」と繰り返すばかりで、なぜかその場から消えようとしなかったのです。
本当にへこんでいる様子の彼女に私は「あの、少しお話しますか?」と提案したのでした。
「あの、どうしてうちに?」
「…………住む場所を探していて……」
彼女は消え入りそうな声で話すので、私もできるだけ静かに問いかけました。
ちなみに彼女は全体的に白っぽく、普通に普段着を着た女性でした。
よく見ると爪も普通の色をしているようで、さっきは赤かったと思ったのになあと思いつつ、私は会話を続けます。
「住む場所というと……?」
「……私たちは、人を怖がらせたりして、そこに住まわせてもらわなきゃならなくて……それで驚かしてしまったんです。本当に申し訳ありませんでした……」
なんだそれ、初めて聞いた。
「他の場所は?」
「……ここら辺、すごく昔からいる方が多くて、私はよそ者なので……住む場所に困っていたんです……」
「あー……確かにうちもいまだによそ者扱いされるから、へえ……幽霊の世界でもそういう感じなんですね」
「はい……私もこんなに大変だって知らなくて……ここ、新しく住んでいますよね。だから……私も住めないかと思ってきてしまったんです……」
彼女はどんどん俯いて小さくなっていくように見えました。
「大変なんですね……」
「はい……あの……それで、ここに住まわせてもらうことはできますか……?」
「ああいいえ、申し訳ないですがそれはちょっと」
「……そう、ですよね……本当に申し訳ありませんでした……」
幽霊になっても気を遣って生活しないといけないなんてこの世(あの世?)は世知辛いですね
彼女は分別のある幽霊だから良かったけど傲慢で独りよがりな幽霊もいるだろうから彼女に住んで貰った方が違うのが来なくて良かったのかも