奇々怪々 お知らせ

うずまきさんによるにまつわる怖い話の投稿です

1号室:離サナイ
短編 2024/07/20 16:24 1,564view

アイツは狂った。
そう、長年付き合っていた最愛の彼氏にフラれてからだ。
明るくフレンドリーだったアイツが全く姿を見せなくなってもう数カ月。
おれとアイツはいつも行動を自ずと共にするグループのメンバー。
恋愛感情とかではなく、長い間いい仲間として関係を保っていた。

そんなアイツがLINEも電話も反応なし。以前はすぐに反応してくれてたのに。
流石に心配がMAXになり、一人暮らしをしているマンションを訪ねる事にした。

「おーい。」

モニターホンを何度か押し、無意識に声をかける。

反応はない。

「…。」

少し気が引けたがドアに手を掛けダメ元で開いてみた。

こういう時ドラマや映画だと想定内で開く。
だが、現実はそんな訳ないよなー。
……開いてる。ドアチェーンも外れたまま。
女の子1人で不用心すぎるだろと思いながらも、中へと踏み入れる。

「…っ!?」

言いようのない悪臭が迎えてくれた。

おれにじっとりねっとり絡み付くような不快さ。
思わず眉間に皺を寄せ、鼻に手をやる。
これは明らかに異常だ。やばい。

昼間だというのに閉め切った室内は薄暗く、白を基とした廊下は何故か点々と水が溜まり、不気味に光っている。

『何の水だ…?』

そう思いながらも迂闊に踏んでしまった。
冷たさはない。足裏から靴下を通じてじわじわと染み込んでくる。
無意識に指先で確かめて臭いを嗅ぐ。

「はァっ!?」

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