彼女の部屋の片隅にいた【あれ】の話
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/07/03
12:04
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─どうして、あんな物を川に捨てているんだ?
等と思いながらその様を見ていると突然未菜は俺の方に顔を向け、死んだ魚の目でにこりと微笑んだ。
それが二人の元々のきっかけだった。
後から聞くと、その時未菜は数日前に突然死した彼氏の思い出の品を川に捨てていたということだった。
※※※※※※※※※※
車内の会話もいつしかネタ切れし、二人の間に気まずい沈黙が訪れる。
それを破ったのは未菜の意外な一言だった。
「あの、、もしよかったら今からうちに来ませんか?
美味しいコーヒーあるんですけど」
「いいよ」
俺は出来るだけ平静を装って答えたが、内心は歓喜で小躍りしていた。
というのは彼女の自宅に行くのは、その日が初めてだったからだ。
※※※※※※※※※※
未菜のアパートの場所は何度となく送り迎えした経験から分かっていたから、ほとんど迷わずに行き着くことが出来た。
市中心部にある庶民的な商店街の外れにある3階建てのアパート。
今まで何度となく見たことはあるのだが改めて見ると、かなり老朽化が進んでいるようだ。
敷地にある区画された駐車スペースに車を停めると、二人一緒にアパート正面入り口から入りエレベーターに乗りこむ。
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面白かった!
コメントありがとうございます!
─ねこじろう
もっと評価されていい作品ですよね~!
応援してます。
とく
ありがとうございます
─ねこじろう
ひきこまれました。
こういう話すきです。
コメントありがとうございます
─ねこじろう