テレフォンアポインター麗奈の悪夢
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/06/08
09:54
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「もしもし?」
麗奈は緊張した面持ちで第一声を出し相手の言葉を待つ。
だが何も聞こえてこない。
さらに「もしもし」と問いかけ耳を澄ますが、相変わらず無音だ。
彼女が怪訝な顔でしばらく黙っていると、やがて微かに周波数の合ってないラジオのような耳障りな音が続いたかと思うと、それにオーバーラップしテープをスロー再生したかのような低く不気味な女の声が聞こえてくる。
─あ、、の、、、あ、、、、の、、、
麗奈は息を殺したまま相手の声に集中した。
するとやがて低くくぐもった女の声がする。
─ううう、、、
わたしは悪くない、、、
わたしは悪くなかったのに、、、
ねえ、そうでしょ?
そう思わない?
麗奈は全く意味が分からなかったが、とにかくさっき男に言われたとおり「はい、大丈夫ですよ。あなたはちっとも悪くないですよ」と優しく声をかけた。
すると女は嬉しそうに「ありがとう、、ありがとう、、」と繰り返しながら電話を切る。
間髪を入れず再び電話機からコール音がする。
麗奈はまたすぐ受話器を上げると耳にあて「もしもし?」と問いかけた。
そしてまたあの不快な雑音がしたかと思うと、今度は切羽詰まったような中年の男の声。
「た、、た、、耐えられなかった、
本当に耐えられなかったんだよお
あいつら俺を無視して、、無視しやがって、、
来る日も来る日も、、、
チキショー ばかやろお
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電話📞の相手は、誰だったのだろう。
(ꏿ﹏ꏿ;)