お客さん、幽霊とか信じますか?
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/06/02
07:33
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そしたらお客さんが立っていて手を……」
そこまで言って何故か運転手は急に黙り込んだ。
不審に思った三島が「どうかしたんですか?」と聞く。
だがそれから運転手はただフロントガラスを直視したまま無言になった。
※※※※※※※※※※
やがてタクシーは三島の自宅マンション敷地に入る。
それから正面エントランスに横付けした。
時刻はもう深夜1時になろうとしていてマンション敷地内はひっそりと静まりかえっている。
「運転手さん、いくら?」
三島が背広の胸ポケットから財布を出しながら尋ねた。
だが運転手は何故か相変わらずハンドルを握ったまま前を向いたままである。
しかもその横顔はどこか怯えているようにも見える。
「運転手さん、いくらでしょうか?」
訝しげに思った三島が再び尋ねながら運転手の方に視線をやり、ドキリとした。
その顔は血の気を失ったように青白く、ハンドルを握る手は小刻みに震えている。
心配に思った三島が「あの、大丈夫ですか?」と声をかけた時だ。
─カチャリ、、、
突然左手のドアが開いた。
「え?」
驚いた三島が運転手を見る。
彼は前を向いたまま青白い顔で何か小声で呟いている。
それで三島は耳を澄ました。
「いいんだ、、、
この話は怖かったですか?
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これに似たタクシーの話あったよね。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう