体の上を這うナニか
投稿者:みーやっき (2)
前置きをすると、これは夢の話です。
ですが、それは金縛りを伴う明晰夢だっため、夢とは思えないようなとてもリアルな体験でした。
そしていまでもその時の感触が体の一部に残っています。
3年前ほど前のこと。
その日の夜はリビングのソファーで寝落ちしていた。
だがそれもよくあること。ソファーは大人一人が横になるのにちょうどよい大きさで、その時もクッションを枕代わりにして気持ちよく寝入っていた。
深い眠りの中、突然バタンという大きな音がした。
その音によって目が覚める。
だが目を開けることもできず、また体も動かせない。
ん?と思ったが、しばらくして「ああ明晰夢か」と思った。
わたしは年に1、2回ほど明晰夢を見る。
明晰夢とは夢の中で「これは夢だ」と自覚がある夢だ。
そして多くの場合、夢の中で夢をコントロールして、色々な体験ができると言われている。
ただ自分の明晰夢の場合、残念ながら夢の中を自由に行動できることはかなり稀だ。
どちらかと言えば、金縛りで自由が利かない状態で見ることの方が多いかもしれない。
だが自分の明晰夢の場合、もう一つ大きな特徴がある。
それは現実か夢の中か区別がつかないほどのリアルな体感を伴った体験ができる点だ。
たとえば普段猫のイメージを思い浮かべても、猫の目の輪郭や色彩、また目の縁がどのようになっているかの細部までは思い出すことはできない。だが明晰夢ではそういった細部までを正確に眺めることができる。
また明晰夢の中でチョコレートを口にすれば、実際に口の中にチョコレートの甘さが広がるし、手で石や木、人の肌に触れれば、実際に、リアルにその触感を指先に感じることができる。
そのため明晰夢で見る夢が楽しい夢の場合、本当に楽い体験ができる。
空を飛んだり、好きなスポーツカーを運転したり、無限に美味しいものを味わったりと、リアルな体感を伴って楽しい体験ができる。
だが逆に怖い夢だった場合は・・・。これってマジの霊体験なのでは?と思うほどの恐怖体験を味わうことになる。
ただどんな恐怖体験であっても目が覚めれば、そこで現実に引き戻され、毎回「ああ夢だったか」と安心する。
これまでも夜中にホテルのベッドの周りを読経しながら線香のようなものをもったお坊さんにぐるぐると回られたことがあるし、別のホテルではベッドで寝ている自分の身体を無数の手が這いまわり、最後には服を脱がされ、体中になにか筆のようなもので文字を書かれたりした経験もある。
そういった時はあまりの恐怖に、金縛りをなんとか振り切って、うめき声を上げながら無理やり目を覚まし、なんとかその恐怖体験から逃れるしかない。
だが目が覚めると、現実に引き戻され、さっきまでの恐怖が嘘のように消え去っている。
そして覚醒した目で周りを見ると、線香の匂いも消え去っているし、服は着た状態で体中に書かれた文字も見当たらず、ただ圧倒的な現実感の前で「ああ怖い夢だった」と思うのだ。
今回もそうだろう。
だが今回の明晰夢は金縛り状態から始まっている。それはよくない兆候だった。
怖い体験しましたね。