座敷童の相対性理論
投稿者:竹倉 (9)
彼女は神棚に置かれていた菓子を脚立を使って取ってくれ俺に手渡してくれた。
南部せんべいと文旦飴だった。
神棚から取って良いのかと聞くと、問題ないと答えたのでありがたく頂くことにした。
どちらも初めて食べるお菓子であったが、とても美味しかったと記憶している。
それから、取り留めのない話をした。
歳はいくつだ?と聞かれれば5歳と答え、どこから来た?と聞かれれば、神奈川県と答えた。
自分の言葉(方言)が理解できるかと問われれば、素直に分かりませんと答えた。
「おねーちゃんはここのいえのひとなの?」
「んだな。今はここの家にやっかいさなっとる。それよか坊よ、おめぇさほに めんこいなぁ」
そう言って笑いながら俺の頭をやさしく撫でてくれた。そして俺を見ながら何か考え込むような仕草をみせてからこう付け加えた。
「私のことさ見える人間がまだおったのだねぇ」
「?」
勝手場から母の呼ぶ声が聞こえる。
ふと彼女に向き直ってみれば、そこには少女の姿は影も形もなく、残された南部せんべい(胡麻)があるのみだった。
そして俺は神棚の供え物を食ったと、母にこっぴどく叱られたのだった。
一 2010/08月 一
俺はまた両親と一緒に祖父祖母の家に向かっている。
両親の都合などはどうでも良かった。
俺は5年前に出会った彼女と、どうしても再会したかったのだ。
そもそもにおいて当時5歳の俺の記憶が、本当に正しいものだったのか、10歳のガキでも気になって仕方がなかった。
鮮明に覚えているのは、切れ長の優しい目つき。そして何と言っても真っ赤な振袖だった。そして菓子を食って叱られたこと。
….意外と覚えているものだ。
実は彼女に会ったことは、両親にも祖父祖母にも今まで一切話してこなかった。
特別な理由はない。強いて言うならば、照れくさかったから、だろうか。
続きが気になります
えっ 続き気になる
文末は書き途中かな?面白いから続きが気になりました。
え、続きは?
お世話になっております。投稿主です。
下書きのメモ帳から全文をコピペしたつもりだったのですが、何故か中途半端なペーストとなってしまいました。
ネタではなく、メモ帳からも後半部がなくなってしまっています(酔ってなんかしたっぽい)
記憶を振り絞り、続きをアップしたいと思いますので、覚えていたらまた読んでやってくださいm(_ _)m
ちょっ、今、岩手の爺ちゃんちで荷物運び出してるわ!って、気持ちで読んでました😀
続き、楽しみに待っています。
「寄り合いから帰ってきた祖父と父の顔つきが険しかった」というところが気になりました。何か起こるのかな?
続き楽しみに待ってます!
とてもノスタルジックで香るお話でした。
続きが気になりますが高校生になった主人公が座敷わらしに会えたのかそれはまた別のお話という終わり方も良いのでは感じました。
今更投稿主です。
これ書いていた当時、自分的にはこれ以上ない作品としてアップしました。
結果的に後半紛失となりましたが、何度書き直しても、どうにもしっくりきません。
終わりは決してハッピーエンドではなかったです。むしろ鬱エンド。
嗚呼、きちんとバックアップを取っておけばよかった。