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ヒトコワ

ねこじろうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

深夜のテレビショッピング【ハリウッドスーツ】
長編 2024/02/15 14:14 7,915view
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榊原さんはチラシの裏にボールペンでメモをし始めた。

※※※※※※※※※※

そして時は流れ翌週の土曜日深夜のこと。

都内在住独身のSさん32歳がその女と出会ったのは、港の見えるバーだった。

艶やかな黒く長いストレートの髪。
欧米系の目鼻立ちのハッキリした顔立ち。
きめ細かな白い肌。
白いカシミアのセーターに黒のレザージャケットとタイトのミニ。  
カウンターの下で組まれた黒のストッキングの長い脚がセクシーだ。

最初にきっかけを作ったのは女の方だった。

「よく来られるんですか?」

何かを訴えるような切ない瞳でSさんの横顔を見る。

「ええ、週末はだいたい」

彼はマティーニの入ったグラスを少し口につけた。

カウンターの向こう側のガラスには夜の波止場が見えており、様々な小型の船が係留され微かに揺れている。
遥か遠くには灯台の光が断続的に瞬いていた。

「お酒、お強いの?」

年齢は30手前くらいだろうか、いや、それとも、もう少しいってるだろうか?

「まあ、そこそこは飲めますが、あなたは?」

女は目の前に置かれたグラスワインをじっと見つめながら、

「私もそこそこ……」
と呟くと意味ありげに微笑し、グラスをゆっくりと官能的な唇に近づけた。

店の奥では、白いドレスを着たスレンダーな女性がジャズのスタンダードナンバーを歌っている。
店内は甘く華やかな雰囲気に包まれていた。

二人はしばらく素敵な歌声に聞き入っていた。

すると女は長く美しい髪を軽くかき上げて、
「わたし、今夜はとっても寂しいかも……」
と呟くと、Sさんの肩に甘えるように頭を乗せてきた。
上品なコロンの香りが彼の鼻をくすぐる。

Sさんはかなり舞い上がっていた。

2/5
コメント(7)
  • あ~!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!

    2024/02/15/21:13
  • コメントありがとうございます。
    ─ねこじろう

    2024/02/16/12:37
  • ワロタ

    2024/02/17/04:11
  • 最近エロ同人やコミックである皮を被る系
    確かに気づいたら怖い系の話になるよな(笑)、角度変えるとこんな話も作れるとは!

    2024/02/17/14:52
  • コメントありがとうございます。
    ─ねこじろう

    2024/02/18/11:55
  • ハンサムスーツかな?

    2024/02/21/10:01
  • 女版ハンサムスーツとでも言いますか
    ─ねこじろう

    2024/03/25/11:30

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