「うわ!」ビックリして必死に振り払いました。
驚きと恐怖に苛まれてパニクってたら、素早い動きでまた同じ左足首にしがみついてきた。
今度はがっちりとホールドされて放れない。
やばいやばいやばい…
酷く焦ってたんで無理矢理女の子の頭を掴んで
引き剥がそうとしたんです。
その瞬間、女の子がとんでもなく低い声で
「ヴゥ−…ア”ァ−」て唸り出したんです。
凄く怖くなって、んン”っー!て全身に力が入ったところで目が覚めた。
夢かぁ…と一安心したのですが。
何かおかしい。妙な違和感。
やけに静か。
当時実際に住んでいた家も街の大通りに面しているので
夜中でも朝でも車の音が聞こえるはずなんですけど
音がしない。無音なんです。
冷蔵庫等の家電の音、外の音も何もない完全なる静寂だったのと身体が動かないので割と直ぐに自分が金縛りにあってるんだって解った。
次の瞬間、さっき夢で女の子に掴まれた左足首のあたりがジワジワと徐々に痺れる様な感覚に襲われた。とにかく左足首の違和感が凄い。
(何これ、凄い気持ち悪い。)
そう思っていたら、すぐにその左足首の違和感はスーッと左側に抜けてく感じで消えた。
だけど違和感の正体はそこじゃなかったのです。
自分が寝てるすぐ横で
自分に背を向ける体勢で嫁さんが寝ているんですけど
頑張って視界の端に見える嫁さんの後ろ姿
夢の中の女の子にそっくりなんです。
(うわぁ怖い!怖い!…)
そう思ってベッドから逃げ出そうにも金縛りだから声すらも出ない。そうこうしてたら嫁さんが『..ブツブツ..ブツブツ…」と低い唸り声で何か言いだしたんです。
感覚的にせめて声でも出せたら金縛り解ける気がして集中して声を出そうにも上手く喋れない。
だけど何とか全神経を喉に集中させれば小さな声は発せると思い、振り絞るように
「あ…アー、へいッ..」
そう小さな声を発した瞬間でした。

























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