食通とハンバーグ
投稿者:おおもり (1)
あるところに食通な男がいた。彼は自分の舌に絶対の自信をもっており、特にハンバーグが誰よりも大好きだった。
ある日、彼は新しくできたハンバーグ屋に訪れた。
ここの味はどんなものかとハンバーグを注文。一口食べて彼は驚愕した。
うまい。言葉にできないほどのおいしさだった。
しかしなにより、食べたことのない味だったことに彼は興味をもった。
店主に対して彼は尋ねた。
「きみ、このハンバーグは何か特別な隠し味でも使っているのかね。」
「すいません、うちのハンバーグは素材からこだわっていて、そういう質問には答えられないんですよ。企業秘密なので。」
店主は申し訳なさそうに答えた。
それでも男は気になって仕方がなかった。
「あんなにおいしいハンバーグは食べたことがない。私の舌が間違いなければ肉に秘密があるはずだ。何か特別な肉に違いない。」
どうしてもあの味の秘密が知りたい。そう思った彼は店に食材を運んでくるトラックの後をつけてくことにした。
何度もトラックをひっそりと追いかけ、ついにある夜にトラックが一軒の小屋に停まっているのを発見した。
小屋に近づくと、嗅いだことのない強烈な匂いがした。
ここに秘密があるに違いない。男は興奮を抑えつつ、こっそり小屋を覗いた。
小屋の中は薄暗く、藁が敷き詰められ柵が立っている。そこで何かがもぞもぞ動いている。男は異様な光景に驚きつつ、目を凝らして動いているものを見た。
それは……
牛だった。ハンバーグに使われていたのは牛肉だったのだ。
男は誰かに見つかる前に小屋を離れた。
夜道を歩きながら、驚きながらも彼はつぶやいた。
「たまげたな……ミミズ肉じゃないハンバーグだったなんて」
牛!
オチ笑いましたw
怖くないが、🤣