深夜の黒く長い電車
投稿者:太山みせる (35)
その年の忘年会、私はお酒を飲み過ぎてしまった
千鳥足でトイレに入り、便座に座る
もうじき終電だ、早くホームに行かなければ…というところで意識がなくなった
※※※
どのくらいかして、覚醒した
そのまま寝てしまったようだ
「あれ、終電はどうなった?」
辺りは真っ暗だった
トイレから出ても、電気が消えていた
スマホの時刻を見たら、なんと2時だった
もう駅員も、電気を消して帰ったんだ!
(ヤバイ…、駅を出て、タクシーで帰ろう!)
暗闇の中、スマホの灯りを頼りに歩いていると、突然、アナウンスが聞こえた
『もう少しで最終電車が着きます、お乗りの方は急いで下さい』
「えっ?」
ありえないことだ、この時間、もう電車は終わってる!
しかし次の瞬間、ホームに電車が到着した音がした
(もしかしたら、今夜は特別に来るのかも!)
最終電車のアナウンスがあったのだ、真っ暗なのは気になるけど、もし本当に電車が来るなら、タクシーより安いし早いから乗りたい
私はホームに走った
取り敢えず確認しようとしたのだ
ホームに着いた時、真っ暗なホームに、真っ黒な電車が止まっていた
しかも異様に長い!
うしろはホームより遥か後方にあって、線路にしか接していない
すべての車両のドアが開いていて、乗り降りする人はいなかった
車内のドアは暗くて、中は見えない
(こんな電車、存在する筈がない…、お化けだ!)
私は心底、ゾッとした
慌てて逃げようとした背中に、
「太山さん!」
怖い((( ;゚Д゚)))
これまた最高におもろ怖かったです!そして感動的ですらある。すごくいい雰囲気。
真っ暗な駅に真っ黒な電車・・・まるで悪夢をみているような・・・。
これは・・・きさらぎ駅へ向かう列車だったのかも。
やばいな、最近太山さんのファンになっちゃったかも。
きさらぎ駅に行ったのかと思いましたよ。
久しぶりに怖わいながらもドキドキして読みました。
思わず電車乗っちゃ駄目!って心のなかで叫んじゃいました。
主人公男前やな