あるホラーサイトの祟り話

まだデスクトップ・パソコンが多かった頃の話だ

ホラーが好きな私は、ホラーサイト巡りをしていて、あるサイトに辿り着いた

ホームページがどこかの小学生の集合写真のようで、これは心霊写真です、と注意書きがされていた

凝ってるなぁ！と思いながら、そのサイトに集められている怖い話を楽しんだ

その中に、昔の時代の男性名のタイトルがあった

仮に『太郎』としておく
詳しくは書かないが、太郎が村人に祟る話だった

その話を読んでいくと、そんなに怖い内容ではないのに、だんだん背筋が冷たくなってきた

夏だったのにゾクゾクして、まるで風邪をひいているような気分になった

でも読むのは止められなかった

最後に、この話を読んだ人の元に太郎がやって来ます…という注意文があり、読んだことを激しく後悔した

なぜ最初に注意してくれなかったのか！

またその後に、『本当に来ます。話を聞いた私の所にも友達の所にも来ましたから。◯◯を置いておけば食べて出て行ってくれます。だから置けば大丈夫です』と続く文章があった

私は、嫌な予感をしながら夜を迎えた

◯◯は置かなかった

なかなか眠れずにいると、何かが部屋の中に現れたような気配がした

太郎がやって来たようだ

怖いから目は開けなかった

悪意を持って、私を見下ろしているような息遣いを感じる

そのまま太郎らしき者は、部屋の中を長い時間、歩き回った

何かを探しているようだった

時間がどんどん過ぎて、窓の光の入り方から、明け方になってきたのを感じた

◯◯を置けばすぐに帰ってくれたのかな？とも思ったが、何で怖い話を読んだだけで、こんな目に遭わなければいけないのか！

その理不尽さに腹が立ってきた

私は怒りに任せて起き上がった！

「◯◯なんて用意するヤツがいるから、いつまでも調子に乗るんだよ！」
怒鳴ってやった

その瞬間、古びた男の後姿が、ビクッとして消えるのを見た