覚醒
投稿者:瑠璃ガキ (4)
青白い蛍光灯の下、視界は正常に戻り、暑くも息苦しくもありません。
どの店舗に入るでもなく、ベンチやエスカレーター、吹き抜けがある廊下のような空間でした。
どうやらここは3階のようです。
どこからか声が聞こえました。
「もういいよ」
それは可愛らしい女の子の声で、すぐにそれが私に向けられた言葉であり、私がかくれんぼの鬼であると分かりました。
そこで私は、自分の意思で声の聞こえた方向に足を進めます。
すると、観葉植物の葉に身を隠すように植木鉢の上に乗って息を潜めている女の子を見つけました。
私が「花楓香(かふか)ちゃん見っけ!!」と言おうとしたその瞬間、背後から「花楓香~、帰るわよ~、どこ行ったの~?」と花楓香ちゃんの母親の声が聞こえてきました。
花楓香ちゃんは母親の登場に気が付いていません。
「もういいよ」
今度は妙に抑揚のないノイズの混じった声でした。
____暗転する。
次の瞬間、私は花楓香ちゃんの隠れる観葉植物のすぐそばまで来ていました。
そこからは何の躊躇いもありませんでした。
「花楓香ちゃん見っけ!」と言いながら花楓香ちゃんを強く後ろに突き飛ばしました。
花楓香ちゃんは植木鉢の上に乗っていたせいで、吹き抜けの手すりを飛び越え階下へ落下していきます。
____暗転する。
何故か目の前に私の姿が見えました。
花楓香ちゃんと同じ子どもの体なのに、顔は今現在の私のもので酷く不気味に見えました。
醜悪な薄ら笑いを浮かべ見下ろすようにこちらを見つめていました。
そして、落ちていく感覚がありありと伝わり、目の前の私がどんどん遠ざかっていきます。
そこで私は目が覚めました。
高所からの落下で目が覚めるなんてありきたりだなと、そんな平凡で平和的な感想を持つことがその時の私にはできませんでした。
私は殺人衝動なんて持っていないはずです。
しかし、夢の中とはいえ自分の意思で何の罪もないうら若き少女を……何の躊躇いもありませんでした。
私は恐ろしくなりました。
だから、明晰夢は夢補正によって創られた設定の一つであると考えるのです。
「え?それはお前の深層心理?」えぇ、結構です。
夢の中には、その人の深層心理が現れることがあると言う人もいるでしょう。えぇえぇ、結構です。
それもこれも夢補正なのです。良いですか?
深層心理なんていう馬鹿げた錯覚を抱くのは、あなたが夢補正にしっかりと思考を支配されているからなのですよ。
瑠璃ガキさんって、Youtubeでいつもかわいいロリ画像をサムネ絵にして怪談かたってるあの瑠璃ガキさんですか!?チャンネルたまに拝見しております!!