覚醒

私の明晰夢の場合はどうでしょうか？
私は夢の中で、「これは夢だ！」という思考に至り、自分の意思決定により技を放ったり空を飛んだりしています。
しかし、その先の結果となる部分は自分の意思でコントロールすることができていないのです。

そこで私は前述した明晰夢と夢補正を結び付けて考え、そこに答えを導き出しました。

つまり、明晰夢とは名ばかりで本当は夢補正によって創られた設定の一つであるということです。

夢補正が夢を見ている人の思考を支配する。
「これは夢なんだ！」と認識させるし、1つ1つの行動をあたかも自分の意思で決定しているかのように認識させる。

これが明晰夢の正体なのではないかと私は考えたのです。

いえ、そうでなくてはならないのです…

私は今日、今までにないパターンの明晰夢を見ました。
それは凄く怖い夢でした。私にとってあってはならないドス黒く禍々しい陰鬱な…そんな夢でした。

私はスーパーにいました。
イトー○ーカドーと認識していました。

ここはゲームセンターです。
目の前には懐かしい緑の筐体、ブラウン管の中でカブトムシが戦っています。

＿＿＿＿暗転する。

青白い蛍光灯の下、泣いている子どもがいます。
これは私…なのでしょうか？

泣いている子どもが目の前にいるのではなく、泣いている子どもの視界を自分が見ているような感じです。

書店の入り口の前で、左にはベンチ、右には自分の背丈より一回り大きな観葉植物があります。

次第に涙でガウス状にぼやける視界、そして…

＿＿＿＿暗転する。

またゲームセンターです。
しかし、先程より視界が黄色く見えます。そして暑くて息苦しい。

幼い頃夢中になった、オレンジと白のカラフルな筐体が特徴のお菓子すくいのクレーンゲーム。それが黄色く濁る視界の中で、目まぐるしく流れていきます。
私がゲームセンター内を歩いて回っているのではありません。
背景が動いているかのような、現実にはありえない光景でした。

＿＿＿＿暗転する。