夜中のインターホン
投稿者:イーサン (2)
「おー、結構くっきりと映るもんだな」
これなら深夜のピンポンダッシュ野郎の人相もバッチリだろう。
ちなみに親父は「ちょっと眩しかった」って言ってた。
それから三日か、四日くらい先の事だったかな。
奴が現れた。
例のごとく、俺は友達とネトゲのレベル上げに熱中してた。
そんな中『ピンポーン、ピンポーン』と鳴れば、俺は「おっ、来たな」と待ってましたと言わんばかりに友達に「ちょい、離席」と告げ、友達も『ついに奴の顔を拝むときがきたのか…』と台詞じみた重々しい口調で見送ってくれた。
一階に降りるとインターホンの親機の前に親父が既にスタンバイしてた。
その顔はようやく犯人の顔を収めることができた刑事のように凛々しかったが、俺と親父は無言で相槌した後、半ばドキドキしながら録画を再生させる。
ただの悪戯か。
はたまた、幽霊だったり…。
何かヤバそうな見た目の奴が映ってたらどうしよ…。
そんな期待と不安が入り混じった動悸を胸に、ついに犯人の尊顔を拝するときがきた…!
「「……ッ!」」
俺と親父はあまりにも衝撃的な真実に絶句。
言葉にならなかった。
二度見した。
何度も再生を繰り返しては「え、マジで?」と自分の目を疑った。
そんなことがありえるのか…。
青天の霹靂だった。
このことは朝にでも母さんを交えて意見を交わす必要がある。
俺と親父は一旦この映像の事は保留にして、今日は大人しく眠る事に決めた。
部屋に戻った俺はどこか気が抜けたような脱力感に苛まれながらも、ヘッドフォンを装着し、友達に「戻ったよ」と告げた。
友達は『どうだった?』と結論を催促するが、俺も告げねばなるまいと、ため息をつき、カメラ付きインターホンが捉えた真実を友達に話すことにした。
「…猿だった」
『は?』
「猿がピンポンダッシュしてた」
友達は盛大に笑った。
映像には、猿がインターホンのボタンを押した直後から始まった、猿が逃亡する後姿がバッチリ録画されていた。
俺の実家というか、この地域は山と背中合わせという事もあり、よく猿や猪に鹿が目撃されている。
だとしても、せいぜい近くの河川か山の麓で見かける程度で、住宅街に出る事は滅多にない。
しかし、俺の実家は山とほとんど隣接しているような立地だった。
だから夜中によく動物の鳴き声は聞こえてたんだけど、まさか深夜にこうやって我が家の周りを散策しているとは夢にも思わなかった。
最高!w
ずっこけましたw
これは草
怖い
最高にく猿w
家族にもピンポンの音聞こえていて良かった。自分だけは、やめてくれ!
インターホンって鳴らされますよね……私も職場のスタッフにストーカーしてた犯人が夜中にそのスタッフの家や仲良い子の家のインターホン鳴らしてて、私も鳴らされたんですが犯人捕まって取り調べの結果、私含む何人かは家すら知らなかったってこともありました……やっぱりアピールしやすい機器なんでしょうね
猿は初めてww
何か凄い……
家族仲が良好でほっこりした
猿か、何か想像すると可愛い。
猿かよww
ハッハーww