叔父の思い出
投稿者:ぴ (414)
それが納得いかなくて、その後ちょっとご機嫌斜めになりました。
母とおじさんはその後、「そういえば、大変だったわよね」と話を始めました。
どうやら目の前のおじさんは最近子供を病気で亡くしたそうなのです。
その話を母とずっとしていました。
でも私はその話どころではなかったのです。
それよりもさっきまでいた男の子が気になってしょうがなかったです。
だからきょろきょろと男の子を探し回りました。
だって確かにこの目で見たので、いないわけがないと思いました。
自分の誕生日なのに、母に怒られたのもショックで、あの男の子を絶対に見つけだして母に見せようと思ったのです。
母が親戚と話している隙に、私はこそこそと部屋を抜け出したのでした。
部屋を抜けだして、男の子を探し始めました。
しかししばらく探しても見つからなかったです。
そこで私が向かったのは鏡台がある部屋です。
親戚みんなが集まっている部屋から何部屋か向こうに母が使う鏡台がある部屋がありました。
友達を連れてきてかくれんぼするときはよくその下に隠れたことがあるので、もしやそこに男の子が隠れていないか探しに行ったのです。
そしたら案の定、その下であの男の子を発見しました。
私をまるで待っていたかのようにこっちを見ながら、隠れていたのです。
「見つけたー」と私が駆けだそうとしたときでした。
「見てはいけない」と低い声がしたと思うと、突然目の前が真っ暗になりました。
慌てて目の前を探ると私の目のところには誰かの手があって、どうやら目隠しをされたと分かりました。
「何するの」と私は抵抗したと思います。
手をのけると目の前が明るくなって、叔父の顔が見えました。
知っている人だったので、ちょっと安心した私ですが、次の瞬間ショックを受けました。
だってさっきまで鏡台の下に隠れていた子がいなくなっていたからです。
「あ~いなくなったじゃない」と私は叔父にぷんぷん怒りました。
しかし叔父は私のその怒りをまったく気にするそぶりはなく、私を元居たみんながいる部屋に抱えて連れて帰ったのです。
叔父は「あれは見てはいけないもの」と私に念押しするように言って聞かせました。
なんで見てはいけないのかと全然分からなかったけど、私はなぜかその言葉がすごく印象に残りました。
戻ってきたら母と親戚の人が写真を見ていたのです。
なんの写真かと私が見てみたら、さっきの男の子の写真でした。
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