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心霊

北ウイングさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

某有名トンネルの怪奇
長編 2023/03/14 11:34 5,770view

もうすでにテンションの高い3人はバカ話で盛り上がりながら目的地を目指した。
高層ビルの建ち並ぶエリアからしばらくするとどんどん田舎っぽくなってきて、車通りも少なくなっていった。時間も時間だが、周りを見てもお店はあんまりなくコンビニがたまにあるくらい。

A 「さすがにここまで来るとなんもないねー。そりゃ心霊スポットもありそうだわ」
B 「同じ県とは思えないな。てかその心霊スポットってどんなとこ?」
C 「聞きたい?着いてからのお楽しみだったけど」

ニヤニヤしながらCが続ける。

C 「そこはこの県じゃ超有名な心霊スポット。昔から雑誌とかテレビにすごい出てるし地元で知らない人はほぼいないね。芸能人もテレビでやばいって言ってたよ」
B 「いやせっかく行くならそんくらいじゃないとだめだわ。なんなら写真に写るの期待してる」

Bはそう言いながら最近買ったデジカメの試し撮りを始める。

C 「俺も実際に行ったことないんだけど聞いた話によるとトンネルがいくつか続いててそのうちのどれかがやばいとかなんとか。あ、あとトンネルの上に井戸があるらしくてそこは本当にやばいから近寄ってもだめらしいよ。遺体が見つかったことあるって聞いた」

A 「まじ?!井戸はやばいやばい。それは本当にやめとこ。トンネルだけにしとこ」
B 「井戸はさすがに俺もやだなぁ。昼間ならまだしも一番だめな時間じゃん」

時刻はちょうど夜中の2時であった。

C 「とりあえず井戸は洒落にならないからトンネルだけ行ってみてそんときの気分でまた決めよう。ナビだとあと10分くらいで着くし。」

そうCがいい終えた次の瞬間

「目的地に到着しました」

A.B.C 「え?!?!」

慌ててCは車を停めた。

確かに今さっき目的地までの時間は約10分と表示されていた。なんならCが言い終える前に自然とナビを見ていた為それだけは確信があった。

A 「さっきとナビの道違くね?こんな道じゃなかったよね?」

B 「やばー!いきなり怪奇現象じゃん。」
C 「いやびびった。笑 でも田舎だしナビの通信悪かっただけじゃね?とりあえず着いちゃったけどどうしよ?降りてみる?」

3人は生まれて初めての怪奇現象にドキドキしながらも同時に興奮もしていた。

A 「ちょっと待って。この状況で外はやばいでしょ。絶対降りたくない」
B 「でもけっこう明るいトンネルだしそんな嫌な感じはしなくね?たまに車通るし」
C 「何個かトンネルが続いてるらしいからとりあえずゆっくり車で通ってみるか」

Cはそう言うとゆっくり車を走らせた。

わりと明るい小さめなトンネルは思っていたような禍々しさはなかった。
ただ急な怪奇現象によって興奮した3人はその後にもまだなにか起きるんじゃないかと期待もしていた。

しかしトンネルを通り過ぎてまた引き返してもなにも起こらなかった。
期待はずれのまま2往復したら帰ることにした。
その時Cがなにかを見つけた。

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