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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

いつもそこから
長編 2023/03/13 17:15 3,542view

友達は家賃が信じられないくらい安いと言っていたのです。

もしかしてと思って、私は「ここってもしかして事故物件だったりする?」と聞いてみたのです。

それを話すと、友達はけろっとした顔で「もちろん」と言いました。

「こんな安い家賃で事故物件じゃないわけないじゃん」と言いました。

どうやら友達はもうかれこれ4、5年くらいこのマンションで暮らしているとけど、事故物件に住んでいるおかげで安い家賃で済んでいるみたいでした。

私にはてっきりその話をしたつもりでいたようで、言ってなくてごめんと謝られました。

いつもそこから声が聞こえるあの押し入れですが、後で大家さんにきちんと確認したら、そこでは昔凄惨な殺人事件があったらしいです。

その押し入れで何が起こったかまでは詳細には教えてくれませんでしたが、私が「子供の泣き声がした」というと、大家さんは震えた声になっていました。

あの動揺を見る限り、子供が関わった事件だったことは間違いないでしょう。

それから少しして私はなんとか新しい職場を見つけて、一人暮らしの賃貸住宅を借りました。

友達の家から出るその日、また変な声を聞きました。

玄関を出るときに、どこからともなく「バイバイ」という子供の声が聞こえたのです。

友達は今でも安い賃貸料に惹かれて、まだあのマンションで暮らしているらしいです。

私には絶対真似できないけど、本当に怪奇現象に縁がない人間っているんだなと思いました。

友達に聞いたところマンションの例の押し入れに何も荷物が置いていなかった理由はありました。

これまでそこに何か物を置くと、住人が大怪我をすることが多かったらしいです。

それが何度も続き、退去する人が続いたため、友達が契約するときにそれだけはどうか守ってほしいと押し入れにものを置かないことを約束させられたそうです。

別の場所に物を置けるからまあいいかと友達は言っていました。

これを聞いて、やっぱりあそこには何かいるんだなと思えて、鳥肌が止まらなかったです。

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