訳アリ物件
投稿者:ぴゃーの (4)
短編
2023/02/25
01:09
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結婚して、生活するマンションを主人と探していて、他に比べたら割安な物件を見つけてそこに決めました。
便利な場所だしきれいだし、ラッキーでした。ただ、霊感ゼロの主人ですら感じてしまうような、どうしようもない黒い重い空気が漂うことがありました。
何か重いなあ今日は。と言う日がたまにあり、何にも大家さんから聞いてないけどまあいいか。くらいで過ごしていました。
子供が産まれ、1歳の時だったと思います。今までにない、とてつもないどんよりした空気を感じ、私が目が覚めました。隣で息子も起きていて、部屋の隅っこを指さして、「あー!あー!」と言っていました。
恐る恐る私もそちらを見てみると、いたのです。ぼんやりと立っていました。兵隊さん?ぼんやりとしか分からなかったのですが、黒い男の人が。
ドタドタと、リビングでくつろいでいた主人も寝室に駆け込んできて、「すっごいどす黒い気配がするんだけど!!」と叫びました。私が、出たよ。いるよ。息子ちゃんも見えてるよ。と返事をしたら、やっぱり僕には見えんなあとへこんでいましたが、これだから割安物件なんだな。と、確信し合いました。
なんとなく、厄払いに行き、お守りを部屋中に置いたら消えました。その後8年住み続けました。
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