知らない友人が知り合いだった
投稿者:A (4)
情けない話だが、俺はXを虐めていた過去を悔いるより、その過去を知られて俺がハブられるかもしれないという孤独を恐れていた。
だが、翌日。
憂鬱ながら講義を休む訳にはいかない俺は大学に行ったが、A達は普通に接してきた。
「お前生きてたかw」
Aが気さくに声を掛けてくれるから俺は思わず「お、おう」とキョドると、Aは「どした?反応キモw」と笑う。
「Xから何も聞いてない?」
俺がそう訊ねれば、三人は何の事か分からないといった表情を浮かべた。
それでAが「もしかしてマジで喧嘩になった?」と斜め上の想像を働かせたので、俺はA達が本当にXから何も聞いてないと分かり、適当に「まあ、うん」と相槌をうった。
Xが何を考えてるのか分からないが、俺は大学生活を四年間ぼっちで終えたくなかったんだ。
そんな事があってから一年以上経つが、Xは未だに俺に復讐をする気配はない。
Xが正体を明かして以来、俺やA達に近づく事はなくなったが、同じ大学に通う手前、たまに構内ですれ違う時は多々ある。
XはXで他の友達と話しているところを見かけるが、Xは俺と視線が合うと決まって笑うのだ。
その笑顔を見る度に、Xは俺に「いつでも仕返しできる」と言ってるようで、俺はいつも目を逸らして足早に立ち去っている。
Xは俺のアパートも実家の住所も過去も友人関係も全て知っている。
でも俺はXの住んでる場所も転校後の事も知らないし、そもそも小学校時代の記憶も殆ど覚えていない。
だから、俺はXの恨みの強さが分からない。
そして、つい最近、俺の住んでるアパートは大学から電車六駅くらい離れているんだが、駅を降りたところでXを見かけた事がある。
そのせいで、「もしかしてXは俺の私生活を監視しているのでは?」なんて考えが頭から離れなくなって、今では寝不足で隈が酷い。
それでもXは何もしてこないのだが。
俺は今でも毎日「今日こそXが何かしてくるかもしれない」という恐怖に怯えながら生きている。
自分のことより、先に謝った方が良いのでは?
いじめられた側はずっと忘れないものですから。
怖いけどモヤモヤしちゃうな
なんかの話で騙すって言って騙さないことって騙されないことになるんじゃねって言ってるのを見たわ
「された相手は騙されるのを恐れて勝手に自爆した」
〇秒後に意外な結末 ミノタウロスの青い迷宮 第45話