人の手だった
投稿者:ぴ (414)
私が会社のトイレで、一人でトイレ掃除していた時の話です。
その頃、職場の人間関係が悪くて、掃除を一人でさせられることが頻繁にありました。
辛かったけど、どうにか我慢して、その日も掃除をしていたのです。
私がトイレの個室一つ一つを掃除していくと、かなり汚れがこびりついている便器がありました。
一生懸命それを擦って、なんで私ばっかり辛いことばかりしているのだろうと泣きたくなりました。
一人でぐすぐすと泣きながら掃除をしていたときです。
トイレブラシを洗うためにバケツを取ろうとしたら、誰かがバケツを渡してくれたのです。
一瞬ありがとうと言いかけて、はっとしました。
だって私はその日一人で朝からトイレ掃除をしていたのです。
トイレに他に人がいるわけがなく、でも確かに私は誰かの手からバケツを受け取ったのです。
「ぎゃあ」って悲鳴をあげて、私はトイレから逃げ出しました。
そしてしばらく腰が抜けて動けなかったです。
その後、後から職場にやってきた従業員に散々馬鹿にされました。
「幽霊を見たんだって?」と嫌味を言われ、涙ぐみそうになりました。
でも確かにあれは人の手だったのです。
私にバケツを手渡してくれた人の手を確かに見ました。
それからトイレを掃除をする度に、私は変な声を聴いたり、変な足音を聞いたりすることがあり、怖くなって会社を辞めました。
実はあの会社、よく人が辞める曰くつきの職場だと後から聞きました。
きっとあの職場のトイレは出るのだと思います。
怖いけどそのブラック職場で道具手渡してくれたりして手たのだから同情してくれてたのかもしれないし、同じ境遇だった方かもしれない。あまり悪い感じはしないなぁ。優しい方なんじゃない?
ぴさんに代表作はありますか?読みたい。