家の中を歩く人影
投稿者:KyoRko (1)
これは以前実家で起きた不思議なできごとについてのお話です。
私の実家はかなり古く床がきしんだり、開き戸の立て付けが悪くなっているんです。特にリビングを出てすぐの廊下の劣化がひどく、人が歩くとギシッという音がたちます。
私が幼いころはそれが怖く、泣きながら足早に廊下を進むこともありました。しかしそれも幼い時だけで高校に入るころには何とも思わなくなっていました。
そんなある日、リビングでくつろいでいると廊下がギシッとなる音がしたんです。家族はみんな出かけていて私以外に誰もいないはずなのに。
その時はこの家も古いから風のせいで音がしたのかな?と、深く考えることはありませんでした。
また数日後、一人の時にギシッと音がしました。さすがに気になり廊下を見ても何も変化はありません。風が強い日でもなく少し怖くなりました。
家族にそのことを伝えても誰もそんなことは経験していないというのです。その後もギシッという音は私が一人でいるときに鳴り続けました。
あまりに鳴るので、もはや怖さはなくなり慣れてしまった自分がいました。そんな時、ギシッという音とともに人影を見たのです。
その人影に覚えがあった私は思わず泣いてしまいました。その人影は私が小学生の時に亡くなった大好きな祖母にそっくりだったのです。
少し丸い背中にひざを痛めたような歩き方。
一瞬の出来事ですが私には祖母だとわかりました。そこではじめて気が付いたのです。音が鳴り始めたのが祖母の命日だったことに。
当時私は高校が忙しく仏壇に手を合わせることがめっきりなくなっていました。
そのためさみしくなって会いに来ていたのかな?と思い、その日から欠かさずお線香をあげるようになりました。
するとギシッという音も人影を見ることもなくなりました。
でもどうして私が一人でいるときだけあの音が聞こえたのでしょうか。それだけがいまも不思議に思うのです。
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