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ヒトコワ

いももちさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

一途な彼女
短編 2022/12/18 09:55 2,110view
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私の通っていた大学には代々語り継がれる伝説の事件があります。

昔あるサークルに所属していたAさんは、後輩のB子さんと付き合っていました。Aさんは社交的で外見も良かったため、恋人が途切れることがありませんでした。
反対にB子さんは真面目で女子高の出身だったためAさんが初めての恋人だったようです。

始めは初々しく甘えるB子さんを可愛く思っていたAさんでしたが、女子の友だちと遊んだり飲みに行こうとすると嫉妬して泣き喚いたり、結婚して子どもを産むことを前提に話すB子さんをだんだん重たく感じるようになりました。

そしてついにAさんは別の女性と関係をもってしまい、それをきっかけにB子さんとは別れることを決めました。

別れ話を切り出すとB子さんは「ひどい」「嘘つき」と呟くとそのままふらふらとAさんの部屋から出ていってしまいました。

次の日B子さんは授業もサークルも欠席しました。心配したB子さんの友人が連絡をしても「大丈夫」とひとこと返信がきたあとは連絡が取れなくなりました。

その日の夜にAさんがバイトを終えてスマホを確認すると、実家から大量の着信が来ていました。
驚いてかけ直すと「今すぐ帰ってきなさい」と両親から怒鳴られたそうです。
理由を聞いても早く来いの一点張りで、慌てて電車を乗り継いで実家に帰ったAさんは唖然としました。

実家の庭に面する掃き出し窓にびっしりと文字が書いてあったのです。内容はAさんがどれだけひどいことをしたか、結婚しようと言ったのに嘘をついた、私を弄んだ……と明らかにB子さんが書いたものでした。

何よりも恐ろしいのは普通のペンで書いたのではなく針のようなもので窓ガラスに刻みつけるように書いてあること、そして家の内側から書かれていたことでした。

「B子はどうやって実家の住所を調べたんだ?今はどこにいる?」とAさんが問うと、Aさんの実家の玄関の外で首を吊ろうとしたところを発見したため病院にいるそうでした。

その後警察によって
「実家の住所は仕送りの段ボールに書いてあったのをメモした、昼間に換気のため網戸になっていた窓から侵入し押し入れに隠れていた」
「Aさんの罪を消さずにご両親にみせるため針で彫った、玄関で首を吊ろうとしたのは近所の人にA一家が嫌われればいいと思ったから」と供述したことがわかりました。

その後B子さんは退学して実家に帰り、二度とAさんに近づかないと約束させられたそうです。
Aさんもご両親から女性関係のだらしなさを叱責され、実家から大学に通うことになりました。

度を越えた一途さはときに恐ろしいこと、なによりも恋人に誠実であることを早くも大学一年生で学んだお話でした。

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コメント(2)
  • 女性は怖いと分かったでしょう。

    2022/12/20/15:21
  • 実家から通える距離なのに態々仕送り送るかな?普通届けるだろ。

    2023/01/22/00:35

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