気づいた？

「多分、わざわざ切ってこれ入れてまた丁寧に縫ったんじゃねーかな。後、これ色的に血文字だと思うよ。
詳しいことは、彼女に聞いてみろよ。」

こんな恐ろしいこと聞けるか！と内心思いながら、なにかの間違いであってくれと微かな希望をこめ、友達は恐る恐る、彼女にラインのメッセージを送りました。

「あのぬいぐるみになんかいれた？」

返信はすぐにきて、二人は言葉を失いました。

「気づいた？」

ひっ、と友達が息をのむ中、彼女から立て続けに送られてきたのは

（笑）（笑）（笑）

のメッセージ。彼女は確信犯でわざとやっていたようです。

理由を尋ねても、好きだからとしか返って来なかったようです。流石に先輩もその友達に、別れた方がいいと強くすすめ、友達も別れを決意しました。

ただ今回の一件もあり、なるべく刺激しないよう、慎重に、自然に別れようとしたのですが……やはり、穏便にとはなかなかいかなかったようです。

別れるといった友達に
「別れるなら死んでやる！ここで手首切ってやる」
ということや、職場や家の近くのコンビニで待ち伏せて待っているなんてこともあったようです。

1番怖かったのは、別れを告げたのに雨の日の夜に突然電話がきて、取らずに無視をしていたのですが、そのうちインターホンも鳴り始め、恐る恐る窓から下を見ると傘もささずに彼女が立っていたようで、

「今、玄関の前にいるよ。いれてほしいな」

　
と。友達は、一人暮らしでなく家族と暮らしており、家族はどうして別れたか知らないため、彼女をなんで入れてあげないのよと友達が責められたらしいです。

友達は、家族に心配をかけさせたくないので「別れたから」とだけ伝え、絶対中には入れないでとだけいいました。
母親はしぶしぶ、今留守にしてるからとインターホン越しに彼女に帰るよう促したそうですが、彼女は、朝まで玄関のまえにいたそうです。

後で聞いた話によると、彼女はそのとき包丁を持っていたそうです。招き入れていたら、開けていたらどうなっていたのだろうという先輩の友達の話を聞きゾッとしました。

先輩いわく今でも友達の肩には、彼女の生霊が蛇のように絡みつくようにくっついているそうです。
彼女に他の新しい彼氏ができるか、友達のことをスッパリ諦めることができるか、もしくは除霊しにいくしかでないと消えることはなかなかないそうです。
しかも、死んでる悪霊とかよりも生霊のほうが剥がれにくく、除霊してもまた取り憑いて来るから除霊するのも厄介とのことでした。先輩はなんでそんなこと知ってるんだと思いつつも、私もそれ以上は怖くて聞くことができませんでした。

マッチングアプリで成功している友達も多いけれど、なかにはこういった怖い人もいるんだなと先輩の友達の話から勉強できました。
こういったアプリに限らず、恋愛が絡むと豹変する人はけっこう多いので皆さんお気をつけくださいませ。