これは、私の職場の先輩からきいた、先輩の友達の話です。
先輩の友達は、半年程前からマッチングアプリで知り合った女性と何回か会い意気投合し、その女性も可愛らしく話しやすいのでトントン拍子で付き合うようになりました。
付き合ってみると、趣味はあうしご飯の好みもあうし自分の話を真剣に聞いてくれるし料理も上手い。
彼女として最良物件なのでは？！
と喜んでいたのですが、少しずつヤキモチや束縛が増えていったそうです。
ただ長年出会いも少なく、彼女が作れていなかった友達には許容範囲でこのチャンスは逃さないとなっていたそうです。
そして、何週間か前から肩が重かったり具合が悪くなる日が多かったり運がないなという日が連続で続いたそうです。
そんなとき、昔から霊感が強く不思議なアドバイスをしてくれる先輩から久々にご飯のお誘いの連絡がきて、いい機会だな、と友達はご飯を先輩と食べにいきました。
先輩は霊感があり、友達が相談する前から
「最近体調悪くない？なんか疲れてたりしねぇ？」
と尋ねると友達は
「なんで分かった？」驚きながら最近の出来事を相談しようと思ってたんだよ、と話をはじめたそうです。
先輩いわく、その時友達の肩に女の人の生霊が見えていたそうです。
ただ、それはさすがに友達に言えず、もう1つの黒いモヤモヤが見えることを友達に伝え、思い当たる節はないかと尋ねました。
しかし、友達も考えても思い浮かばず思い当たる節はないと伝えました。
「じゃあ、誰かからなんか貰ったり預かったりしたか？」
「それなら彼女から貰ったものがある」
先輩が友達の話を聞き終えた後、ふたりで友達の家まで行き、部屋を一瞥すると先輩はある違和感に気づきました。
三十路前の男のベットの上に乗っかっているクマの愛らしいぬいぐるみ。そのぬいぐるみから、黒い禍々しいオーラを感じたらしいです。
「これ何？そういうの好きだったけ？」先輩に尋ねると、友達は
「好きってわけじゃないけど。最近彼女からもらったんだ。かわいいだろ？私だと思って一緒にいてほしいってさ」と友達は惚気はじめました。先輩がこのぬいぐるみから禍々しいオーラを感じることを友達に説明し、中身を確認させてほしいというと、友達は最初こそ嫌がっていましたが渋々了承しました。
「切るぞ」先輩がそういい、おそるおそるぬいぐるみを切ると中から1枚の小さな白い紙がでてきました。
丁寧に折り畳まれており、4つにおられた四角形の紙を開くと、先輩も友達も唖然と言葉を失いました。
「大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き」
と血文字でその小さな紙一面覆い尽くすほど細かい文字でかかれており、なかに一本の髪の毛。それを見た友人は、あまりの気持ち悪さに嘔吐してしまいました。その後しばらくして落ち着いてから、先輩にこれはなんなんだと尋ねました。
「呪いとかじゃねーの？分かんねーけど」
先輩も専門家ではないのでそれ位の言葉しか出てきませんでした。
とてもじゃないが、女の子のかわいいおまじないなんて言葉で収まるものではないものでした。
うん、気をつけます。