おやつの時間
投稿者:ぴ (414)
このようなことがあって、悔しくて悔しくて、私は姉に相談しました。
私が姉にこの話をしたら、姉は私の話をすぐに信じてくれました。
きっと姉も同じ被害にあって、連日おやつを減らされたので、そのことへの不満があったのだと思います。
私のことを信じてくれておやつの時間になると、一緒にその子を探してくれました。
私たちは絶対に犯人を見つけようと約束して、目を光らせていたのです。
だけど、その子はなかなか私たちの目の前に現れなかったです。
うまいこと隠れて、こっそりお菓子を盗むので、私たちは母におやつを減らされるばかりでした。
けれど、やっとあの日、私は女の子を見つけました。
女の子はまたキッチンの下に現れて、母が作ったおやつをこっそり食べていました。
その日は私の大好物のパウンドケーキで、とても許せなかったです。
小さかったので身元も分からない足のない女の子への恐怖心というのがあまりなくて、それ以上に食べ物の恨みが強かったです。
知らない子がおやつをくすねていくのが許せなくて、とんでもない怖いものなしの私は知らない女の子の腕をグイっと引っ張って引きずり起こしたのです。
私に掴まれたその子はびっくりしているように見えました。
そして私から逃げようともがきました。
それでも私は怒りのあまり姉と母がいる前にその子を連れていき、「犯人見つけたー」と声を上げたのです。
なのに母もそして姉ですら私が引きずってきたその子のほうを見ませんでした。
ずっと私の顔を見て、ポカーンとしているのです。
私が握っているその子の腕を引っ張ったらその子は「ぎゃーん」と奇声をあげました。
ちょっとびくっとしてしまったけど、私はそれでもその腕を離さず、むしろその子の腕をぐいっと持ち上げました。
ここまでしても、母と姉はその子を見てくれませんでした。
そこでやっと私はおかしいと思ったのです。
こんなにもあからさまに堂々と知らない子がいるのに、誰もその子を見ないのはおかしいと思いました。
母が顔をひくひくして、私に聞いたのです。
「え?そこに何かいるの?」って。
私はそれを聞いて、姉の顔を見ました。
そしたら姉も私のことを怪訝そうな顔で見ていて、その子を見ないのです。
ここでやっと私にはその子が普通の子じゃないと分かりました。
だって二人には見えていないのですから。
思わず手を離したら、その子は元居たキッチンの下に逃げていきました。
反射的に私が追いかけたけど、全速力で追いかけてキッチンの下を覗いたらもうそこには誰もいなかったのです。
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