そして、街中を歩いているとガラス張りの店舗が多くて俺の姿がよく映る。
俺の後ろを大名行列のように連なる影たちを見て、俺はもうどうしようもない事を悟った。
お祓いの類も試しては見たが、地元の寺や神社をはしごしても黒い靄はずっと俺にくっ付いたままだ。
もう本当にお手上げ状態だ。
俺はきっとこのままこの黒い靄に殺されてしまうに違いない。
そう覚悟していたんだが、進級しても俺は生きている。
相変わらず黒い靄はぴったりと俺にくっ付いているが、呪い殺される事は無かった。
ただ、Aと肝試しをしたと思しきBや部活仲間は全員不登校になるか転向していった。
彼らに何が起きたかは分からないが、恐らく、俺と同じように黒い靄に何かされたのだと思っている。
いや、俺の方の黒い靄は俺に憑りつくだけでそれ以上何もしてこないのだが。
それでも未だに俺に憑りつく靄の中にはAの姿があり、時折恨めしそうに俺の事を見ているのだ。
Aが俺に何を伝えたいのかは未だに分からないが、俺は今でも寺巡りをしてはこの黒い靄の除霊に試みている。
前のページ
4/4
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 44票
今回の話も怖かったっす
怖い怖い
怖いとかじゃなくて、普通に超迷惑やん。
Aはもっと苦しんで呪われればいい。