心霊写真を否定する先輩カメラマン(加筆修正版)
投稿者:kana (210)
「心霊写真なんて全部失敗写真なんだよ」
と豪語するのがボクの先輩でカメラマンのM氏。
先輩にいろいろな心霊写真を見せると、次から次と解説してくれた。
「ダムに行ったらオーブ?それはただの水滴だよ」
「緑色の光?それ、バックに映ってる照明の光がレンズ内で反射してるだけ」
「足が消えてる?ほら、こーゆー姿勢取れば片足に見えるだろ?」
とポーズまでとって、ありとあらゆる心霊写真を否定してくる。
「昔のカメラはフィルムの巻き上げとか不具合のあるものもあって、
意図せず二重露光したりもしたし、逆に最近のデジカメは
安いレンズ使ってて逆光でおかしなフレアを作ったりするし、
シャッターと動体の速度がシンクロして、ハエがスカイフィッシュに見えたりするし」
次から次と否定してくる先輩の話を、さすがカメラマンだなぁと
感心しながら聞いていた。
「特に、プロカメラマンというのはファインダーに映るものすべてを
計算づくで撮影してるんだよ。だから撮った時は気づきませんでしたが、
後で見たら何かが映ってました、なんて言うのはプロとしてあり得ないんだよ。
失敗だよ、そんな写真は全部失敗写真なんだよ」
・・・と、豪語したあとで、もう一言追加の言葉が出た。
「オレも若いころはよく失敗したけどな・・・」
「えっ?」ボクは驚きながらM氏の顔を見た。
「昔な、これからオープンするゴルフ場のパンフレットを作るってことで、
その新築のゴルフ場の撮影に行ったんだよ。
キレイなグリーンの芝生の写真を撮ったはずなのに、
出来上がった写真を見たら、グリーンの向こうに、
お爺さんらしき人が立ってるんだよ。おかしいだろ?
オープン前なんだぜ?誰も入ってこられるわけないんだよ。
第一こっちはファインダーに映るものすべてに神経とがらせてんだよ。
偶然誰かが映りこむなんて100%ないんだよ」
当時はフィルム撮影だったので、その時点ではおかしなものが映っているとは気づかず、
先輩はその日の撮影を続けたそうだ。
カメラマンの業界でも一つ二つくらいはあるでしょ。
プロカメラマンで、誰か経験談コメントしてくれる方、いないかしら。