父の臨終
投稿者:よも (2)
短編
2022/11/10
15:15
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2年前、介護施設で足を骨折した父が、26日の手術の為に別の病院に入りました。
ところが、日付が変わったばかりの19日、00:09分に電話が有り、「危ない。合わせたい人がいたら連れてきてください。」と電話が有りました。
直に母へ伝え、近所の妹と息子(両親の孫)へも伝えました。
不思議なのは、道路に車がいないのです。前に1台いましたが、それは妹の車でした。
00:20だと言うのに、タクシーさえいません。
おかげで、最速で病院に到着しました。
病室の父は既にこと切れて居る様でした。口が開きっぱなしで、ピクリともしません。
私たちは、二手に分かれて、もう冷たくなっている父の手を握ってさすって、父の名を呼びました。
医師が見当たらず、連れて帰る事も出来ません。
30分してからでしょうか? 甥が「あっ!」と大声を上げたのです。
私「どうした?」、甥「じーちゃんが手を握り返した。凄い力だった」、私「本当か?」、
甥「本当だよ」。
甥は、元警視庁の警官で、こんなウソをつくはずが、有りません。
甥が小さい時、父はとてもかわいがり、色んな所へ遊びに連れて行っていたそうです。
妻でも子供でもなく、可愛い孫に「じゃあ、もう行くから」と伝えたんでしょう。
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