本当に電話番の人が何を言ってるのか理解が追いつきませんでした。
私が呆然としていると隣に居たAが「どうしたんですか?」と肩を揺すってきたので、私はあの運転手が亡くなっている事をAに話しました。
当然、Aは「え?嘘」と怪訝な面持ちで私を見ると、私から携帯電話を奪い取り「もしもし、すみません、私今電話で話してた〇〇の同僚の〇〇と申しますが…」と早口で詳細を電話番の人から聞き出していました。
Aの話では本当にあの運転手は二月も前に亡くなっているとの事でした。
ただし、Aが確かにその運転手が運転するタクシーを利用した事を訴えれば、電話番から「念の為にこちらでも確認致しますが、もしかすると私共のタクシーを模倣した社外の人間かもしれませんので、警察に届け出た方が良いかもしれません」と言われたそうです。
後日、タクシー会社の社員と時間調整をして対面する事になったのですが、やはり私が伝えた特徴は亡くなった運転手と合致する部分が多く、社員の方も「は、はあ」と頭を抱える仕草を取りつつ困った顔をしていました。
勿論、警察には届け出たのですが、私からは「ストーカーで困っている」と言われ、タクシー会社からは「うちのタクシーを真似して営業している輩がいる」と言われ、警察官も「なんだそりゃ」と言いたいのを堪えたような複雑な顔を浮かべていました。
結論から言えば、あの運転手は捕まっていません。
と言うか、本当に生きた人間だったのかさえ怪しくなってきています。
確かに私以外の人間にも目撃されており、警察が確認したところいくつかの防犯カメラには映っていたそうですが、身柄を確保できていないのです。
そして、私がタクシー会社と警察に相談してからというもの、ぴったりとその運転手が出現しなくなったので、一時期は私の虚言癖だと勘繰られたのですが、E子とAの証言や、私が運転手に言い寄られていた光景を目撃している私の部署の同僚たちの証言、更にその光景が防犯カメラに収まっていた事で迷惑行為をする運転手が存在する事は証明できていました。
それでも捕まらないのは、やはりその運転手が幽霊だったという事なのでしょうか。
ただ、E子がこの前酔った勢いで言っていたのですが、「亡くなった運転手の名前を騙って悪さする変人かもね」と聞いてからというもの、そっちの方が怖いと私は震えています。
だって、生きているという事は未だ私はその運転手に狙われているのかもしれないのですから。

























なにこれ怖い
タクシー業界ってホントに怪談多いらしいね
客商売やると感じるのは、生きている人間が一番こわいと言う事です。
死んだことに気づかずに仕事していたのかしら?
そしたらなんかかわいそうだな
本当なら最近の実話怪談勢が飛びつきそうな魅力的な話ですね
不思議なはなしでした。
これ人間じゃないと思う。なんか波長が合ったとかで付き纏う様になったとか?
隻眼だと運転手になれないと聞いたことがあります。実話怪談話には、幽霊電車や幽霊バスもありますし、幽霊タクシーや幽霊ドライバーも現存するのかもしれません。
うちのじいさんも片目がほとんど見えなくなってからタクシーの仕事辞めさせられて町工場で働いてたから、
この人も殉職かもしくは辞めさせられたあとに亡くなったのかもね
色情霊かもしれませんね。
だいたい、なぜ狙われたのかもわからないですよね。誰でも、いいんですかね。
男って女に対しては性以外に何の用もないんだが、
性欲のある幽霊って嫌だなw
周りのアドバイスって本当に聞くに堪えないな。全無視したら人生成功しまくりなんだが
とても面白かったです。
でも、結果的には、彼は運送業務を2回きちんとこなしただけですね。
もし彼が両目二重でかっこよければ、憂いを帯びてる不思議系イケメンとして女性からの扱いは変わったでしょう。
見た目って大事ですね、生きてようが死んでようが。
カルトンで手と手が触れたとき、温もりはありましたか?