不可思議な出来事
投稿者:マイアミ (2)
これは、私がまだ小学校にも通わない、幼い子ども時代の話です。
私は、兄弟が多く、子育てが大変だった母は、私をよく母方の祖母の家に預けていました。
母方の祖母の家の近くには、昔、まだ水道がなかったころに利用されていた、井戸がありました。
幼かったので、何もわからなかった私は、使われなくなった井戸に泳いでいるオタマジャクシを見るのが好きで、祖母の家に行くたび、その井戸に行っていました…。
その井戸の横にある、ちょっとした道を行くと、奥のほうに人知れず家が一軒だけ建っていました。
興味本位で、その家に入ってしまったのですが、そこは空き家で、何もありませんでした。
それからは、いとこや近所の子ども達と一緒に、その空き家を秘密基地のように使っていたのですが、ある日、近くに住んでいるおじいさんに怒られ、追い出されてしまいました。
泣きながら、祖母の家に行くと、
「どうしたの?なんで泣いているの?どこか痛いの?」
祖母にそう聞かれ、
「ううん、あそこの家で遊んでいたら、どこかのおじいちゃんに怒られた…。怖かった…。」
そう言うと、祖母に、
「お前、あそこで遊んでいたの?駄目だよ、あそこは入ったらいけないんだよ。」
そう言われました。
どうしてなのか説明されましたが、幼かった私は、理解ができなかったのです。
それから、しばらくはそこには近づきませんでしたが、祖母の家の近くにあるので、気になって仕方がありませんでした。
1カ月くらいして、久しぶりに、いとことその家に遊びに出かけました。
何事もなく、夕方もで遊んで帰ったのですが、その日の夜、不思議な夢を見たのです…。
それは、女の子が、あの井戸で水を汲んでいる風景でした。
小さな体で、大きな桶いっぱいに水を汲み、それを担いで階段を上っている途中に階段から落ち、血を流して倒れています。
女の子は動きません。
しばらくすると、女の子の母親らしき人が走ってきました。
女の子に駆け寄り、必死に呼びかけている様子です。
それでも女の子は動きません。
私は、その母親の顔に見覚えがありました。
それは、祖母の家で見た、若いころの祖母でした。
そこで目が覚めたのですが、いつも遊んでいる場所が出てきて、そこで女の子が血を流し動かないという、あまりに怖い夢を忘れることができませんでした。
母に聞くと、「そんな夢見たの⁉なんでかしらね…。あそこには行かないほうがいいんじゃない?ママは、何もわからないけど…。」
そう言っていましたが、母は、何か隠しているようでした。
井戸には近づかないようにしていたのですが、2週間くらいもすると、そんな夢のことなど忘れ、また、あの井戸に遊びに行くようになりました。
悲しくて切ない話ですね。
貴方自身優しい心の持ち主ですね。