若気の至り

あれは高校を卒業してすぐのことでした。

車の免許を取った僕達は心霊スポットに毎晩のように行っていました。

いつからか足に違和感を感じていましたが特段気にせず遊び呆けていたところ、ある日バイク事故で大怪我をしました。

違和感のあった足だけ怪我をして全治3カ月の重傷でした。

お医者さんからは最悪切断の可能性もあったと後から聞かされました。

入院中は暇なので友達が漫画やゲーム、ガンダムのプラモデルを買ってきてくれたのですが、ガンダムの足だけが気がつくと外れてることがありました。

気持ち悪く感じたのですぐに捨てましたが、退院したらお祓いにいかなきゃだめかなーと思っていました。

手術は全部で3回しましたが2度目の手術の時は全身麻酔で術後は個室に移されました。

その日の夜中に金縛りにあいました。初めての経験だったのでとにかく目を閉じ金縛りが解けるのを待ちました。

その時、病室の外で誰かが何かを押している音が聞こえました。

ガタガタ音がしていて、その音と同時に怪我をしている足を凄い力で引っ張られているのが分かりました。僕は必死で助けを呼ぼうとしましたが声が出ません。

足が引っ張られないように抵抗したのを覚えています。

その後は気がついたら朝でした。

現実か夢かわからなかったので、朝食後にバイタルをとりに来た看護師に夜中の話をしました。

金縛りの話は恥ずかしいのでせず「夜中廊下でバタバタしてました？」

と話をすると

「あー。亡くなった方を霊安室に運んでたの」

と言われました。

意地でも僕の足を持って行きたかったんだと思います。

退院した僕はすぐにお祓いに行きました。

面白半分で心霊スポットには行かないことをお勧めします。