「あの、すみません、、、
うちの子なんですけど、そこにいるんじゃないでしょうか?
まだ三歳なんです。小さいんです
お願いします、、、
あの子、
あの子、私が一緒にいないと、、
うう、、、」
俺は窓際にあるベッドの上で、
布団を頭から被り芋虫のように丸まってぶるぶる震えていた。
この一週間ほとんど寝ていないし外にも出ていない。
そろそろ体力も限界になりそうだ
頭も朦朧としだしている。
その時だった。
かさかさという畳を擦る音がするので、布団の隙間から恐々外を覗いた。
すると目の前を小さな人影がサッと走りすぎる。
緊張した面持ちで、その影の行方を追い薄暗い部屋の片隅に視線を移した瞬間、
全身が凍りついた。
そこには、
青白い月明かりに照らされ、
白い野球帽に赤いトレーナーの男の子が立っている。
醜く爛れたその顔で無邪気に笑いながら、無垢な瞳でじっとこちらを見ていた。
【了】
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最近の事案もそうてすが、子を持つ親には数十秒の油断も出来ない様ですね。
ご冥福をお祈りします。