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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

鳴りやまない騒音
長編 2022/10/13 23:43 3,421view
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私は以前住んでいたアパートが管理人の不手際でボヤ騒ぎになってしまい、引っ越すつもりもなかったのに引っ越さざるを得なくなってしまいました。

できるだけ職場から近い場所が良かったし、急遽部屋を移ることになって、とにかく急いで転居先を探していたのです。

早く転居したかったので、とにかく急いで条件に合う物件を探してもらいました。

その急ぎすぎが災いしたのかもしれません。

私が次に選んだアパートでは、とても怖い体験をしました。

なんとか予定どおり無事に転居できて、引っ越ししてきた初日はホッとしていました。

私はこのアパートが気に入り、気分良く段ボールの荷物を整理していました。

不動産屋さんが紹介してくれたこのアパートは近くにあらゆる公共施設があり、スーパーやコンビニやドラッグストアなどもずらっと揃った大変立地がいい場所だったのです。

むしろこんなアパートが近くにあったんだと驚きだったし、最初からこのアパートに住んでいれば良かったと思うくらいいい部屋でした。

けれど私は気づきませんでした。

こんないいアパートなのに、住人は私を含めて4~5部屋くらいしか入居していないのです。

これほどいい条件のアパートならもっと入居者で満室でもおかしくありません。

このような好立地で、こんなに住む人が少ないことにもっと疑問を持つべきでした。

私が引っ越ししてきた日はとても静かで何事もなく過ごせました。

一つだけわずかにピアノの音が聞こえたような気がします。

とても美しい旋律で、私はうっとりとその旋律に聞き入りました。

それもわずかな内だったし、夜は心地よくぐっすりと眠ることができました。

引っ越ししてきて、前の家よりも職場までが近くなって、私はとてもいいアパートを見つけたなと最初は思っていたのです。

職場の人に「引っ越し先はどう?」と聞かれても、「快適に過ごせてます」とにんまりした顔で言っていました。

そう言っていられたのも、最初の数週間ほどだったと思います。

1か月も経たない内に私は不満を言うようになりました。

理由は上の階から騒音が聞こえるようになったからでした。

私のアパートの上の階には、どうやら入居者がいたみたいでした。

仕事柄昼から出勤して夜遅くに帰ってきていました。

だから生活のまるで違う上の階の住人とは鉢合わせることが一度もなくて、会ったことはありません。

ただ私が帰宅する頃に下から見ると電気がついていたので、誰か住んでいることは知っていました。

その上の階からの騒音が酷いのです。

夜私が眠るときになると、演奏会のように激しいピアノの音が聞こえてきて、私の睡眠を妨害します。

しかもその音がどこか外れていて、とても耳障りなのです。

何日も何日もその状態が続き、私は精神的に参っていました。

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コメント(1)
  • 事故物件

    2022/10/14/01:57

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