雨の日だけ会える友達
投稿者:ぴ (414)
小学4年生のときに、私は不登校になりました。
原因はいじめなんて分かりやすいものではなく、友達とうまくコミュニケーションを取れないという漠然としたものでした。
母は泣いて私を学校に通わせようとしたけど、その頑なな態度がより学校に恐怖感を植え付けるようになり、益々私は学校に行けなくなってしまいました。
途中で諦めてしまったのか、それとももっと柔軟な考えを持とうと思ったのか、母は私に好きにすればいいと言うようになりました。
そう言われてから私は学校に行かずに、毎日のように人気のない公園で一人で遊ぶようになりました。
そんなある日、私が公園で一人でブランコに乗って遊んでいると、ぽつぽつと小雨が降ってきました。
普通なら雨を嫌がって家に帰ると思うのですが、その日私は何となくその雨が心地良かったのです。
あまりに心地がいいので、雨粒を浴びながら公園でブランコに乗っていました。
そしたらひょっこり目の前に見知らぬ子が現れたのです。
私はその子を一度も見たことはありませんでした。
すごく顔が整っていて、真っ白でキレイな顔をしているのです。
もし一度でも見ていたら、忘れられないだろうと思いました。
真っ黒の髪は触りたくなるくらいサラサラで、でも服は私よりも貧乏そうなボロボロの服を着ているのです。
私は見た目と服装のそのアンバランスさもすごく気にかかりました。
その子は私に「一緒に遊んでもいい?」と聞いてきたのです。
私は気づいたら自然に頷いていました。
雨の中、一緒にブランコに乗っていたら、その子が「あれも乗りたい」と言いました。
それは二人乗りのシーソーで、今度はそれに一緒に乗って思いっきり遊びました。
これといった会話はなかったけど、一緒に笑いあってすごく楽しかったです。
これだけ一緒にいて心地いいい人はいないと思うほどでした。
そうやって遊んでいたら、次第に小雨が強くなって雨でびしょびしょになりました。
さすがにこうなると遊ぶこともできず、私は家に帰ることにしたのです。
遊びにくるかと誘ってみたけど、「もう帰るから」と言います。
そういって、その子は団地に帰る私とは反対に山道のほうに走っていきました。
それからあくる日にも、その子が来ることを期待して山のほうをチラチラ見ていたけど、その子はやってきませんでした。
そうしてすっかりその子を忘れかけた頃に、また小雨が降り始めたのです。
小雨が降ってきたと思ったら、また気づけば公園の隅にその子がいました。
私はそこでやっとその子に「名前はなんていうの?」と聞けました。
初めてこっちから友達になりたいと思った子だったのです。
私がそう聞くとその子は「ソウタ」と名乗りました。
山の神様優しい