きっとここにいる

2年前まで、私の実家には愛犬がいました。白くて小さくてまんまるおめめのチワワ。もう12年も前から飼っていてみんなのアイドル的な存在でした。

ご飯の時間になるとすぐに駆けつけ、遊びたい時はおもちゃを持ってきてアピール、寒い時はストーブの前でゴロンと寝転んで、本当に可愛かったのを覚えています。

そんな愛犬が2年前に亡くなりました。

原因ははっきり言われていないけれど、おそらくてんかんと膀胱炎からくる菌に感染したと思います。

とてつもない悲しみと後悔ばかりが押し寄せてきました。もっと可愛がっていたら、もっと遊んでいたら、もっと、もっと…そんな感情がどんどん沸き上がりました。

どん底の状態の時、友人からある物が届きました。

それは一枚の絵です。愛犬が一番可愛く写っていた写真をとてもリアルに絵にしてくれたのです。

その頃私は一人暮らしをしていたので、遺影代わりに部屋に飾りました。

しばらく経ったある晩、夢を見ました。愛犬が遊びたいと私に訴えている夢。久しぶりに愛犬の姿が見られてとても嬉しいのと同時に目覚め、なぜか涙が止まりませんでした。

昔のことを思い出しのでしょう。そのまま寝付けず、水を飲もうとした時…遺影代わりにしていた絵が落ちていることに気が付きました。

そういえば、何日も前に落ちたことに気づいてはいたけれど戻すのを忘れていました。そうか、ここにいるよ、私を忘れないでって教えてくれたんだなと思い、静かに元の場所に戻しました。

今までこんなことはなかったしとても不思議な体験でした。

いつも見守っているよと言われている気がしてなんだか心が温かくなりました。