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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

私が唯一の目撃者
長編 2022/10/07 23:04 4,207view
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でも不思議なことに彼とあとから来た女はその彼女のことを放置して、二人でイチャイチャし始めたのです。

あきらかに火に油を注ぐ行為で、私の心臓はドキドキでした。

静かに怒っているように見える彼女を彼氏らは無視するのです。

次第に怒っても無駄と思ったのか、彼女は何も言わずに二人の後を着いていきました。

その様子が一番怖かったです。

それらを目撃した私は助けを求めるようにして、隣にいる友達を見たのです。

私が目の前で繰り広げられた一連の話をしようと隣の友達を見ました。

こういう昼ドラ的展開が大好きな友達が、今のやり取りを見逃すわけがないと思ったからでした。

でも友達はまるで何も見ていなかったように、「そろそろ花火大会始まるね」と言い出して、私は変な顔をしてしまいました。

それよりもさっきのカップル見たかという話がしたくて、私は友達に聞いたのです。

だけど友達は「さっきって何?」と聞いてきて、びっくりしてしまいました。

目ざとい友達があれを見落とすなんてと驚いている間に花火が始まった音がして、私と友達は慌てて花火を見やすい場所に移動したのです。

丁度偶然なのですが、私は再びあのカップルに遭遇しました。

どうやら同じ場所にやってきたらしく、彼らは私たちの後にやってきたのです。

右斜め前に陣取った彼らを見て、私は「ひえ~」ってなりました。

なぜなら相変らず彼氏が後から来た別の女といちゃいちゃしており、彼女を無視しているのです。

彼女は彼の背中に寄りかかって俯いていました。

ハラハラする私を尻目に彼氏は後から来た別の女にかき氷をスプーンで食べさせてもらっていて、ご満悦のような顔をしていました。

よくやるなと思ったし、それをすぐ傍で見ている彼女の様子に身が凍り付くような恐怖を味わいました。

「すっごいね」と私は目の前で繰り広げられる修羅場に引いて、友達に言いました。

てっきり友達もそっちを見ているとばかり思っていたのです。

そしたら友達は空を見上げて、「うん、すっごい」と言いました。

どうやら花火に夢中になっていたのか、友達は私が見ているカップルの様子にちっとも気が付いていなさそうでした。

私は内心、そっちじゃないのにと思ったけど、あまりにそのカップルに近くて、口には出せませんでした。

花火大会中はずっとそっちが気になって、私はせっかくの夜空を彩る美しい花火に集中できませんでした。

花火が最後の盛り上がりを見せてきた頃だったと思います。

前の彼女がのそりと動き出したのです。

背中にもたれていた彼女は我慢の限界だったかのように、彼の首に手をかけました。

そして急に彼の首を後ろから絞めだしたのです。

あまりの暴挙に私は唖然となりましたが、それでも彼は彼女のことを跳ねのけたりしません。

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コメント(1)
  • 首を絞めていた女性は元カノで生霊だったのでは?

    2022/10/10/03:45

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