誕生日会の知らない子
投稿者:ぴ (414)
あれは小学生の頃だったと思います。
私のクラスの友達が誕生日会を開くことになり、なんとなく参加することになりました。
私とNちゃんはそこまですごく仲がいい友達というわけではなかったんです。
友達の友達という感じで誘われて、その場の流れからその子の誕生日会に行くことになりました。
正直少し面倒だったし、あまり積極的に参加したいわけではなかったです。
というのも、その子とは少し馬が合わないところがあり、こっちから距離を置いていました。
だからあまり気が進まないまま、友達の誕生日会に行くことにしたのでした。
一緒にお呼ばれした友達と誕生日プレゼントを買って、わざわざそれを持っていきました。
その子の家は3階建ての大きな一軒家で、見かけからして裕福な家庭であることが分かりました。
玄関から呼び鈴を鳴らして家に入ると、すぐにその子がやってきて、部屋の中を案内してくれました。
そしてみんなが集まるリビングに集合して、誕生日会が開かれたのです。
そのときに私はへ~、妹いるんだと初めて知りました。
誕生日であるNちゃんにずっとくっついている子供がいたんです。
二つに髪を結ったかわいらしい子で、私はあんな小さい妹がいたんだと思いました。
ずっとその子が足元にくっついて離れないので、「よっぽど仲がいいんだな」って感心しました。
自分の誕生日なのに、ずっと妹の面倒を見てあげて、偉いなと株も上がっていたのです。
誕生日会が始まると、その子のお母さんがおいしい料理をふるまってくれて、お寿司とかチキンとか美味しそうな料理が机にどっさり並べられました。
そしてみんなで楽しくおしゃべりしながら誕生日パーティーが始まったのです。
料理があまりに美味しくて、誕生日プレゼントを買うのは面倒だったけど、来て良かったななんて思っていました。
そしたらその友達の妹らしき子がボトッと床にチキンを落としてしまったのです。
椅子に座っていたその子は椅子から降りて机の下に落ちたチキンを取るために四つん這いになりました。
そしてごそごそと机の下を這いつくばっており、なんとなく気になって私はその子を見ていたのです。
そしたらその子は私をちらっと見上げて、「お姉ちゃん見えてる?」と聞いてきたのです。
しばらく意味が分からず、私はきょろきょろと辺りを見渡しました。
何が見えてると聞かれたのか分からなかった私は、それを探してしまったのです。
私がきょろきょろと別の場所を見ている間に、気づいたらその子はまたNちゃんの隣にぴったりとくっつくようにして寄り添っていました。
お母さんがメインの誕生日ケーキを冷蔵庫から出してきてくれて、お誕生日の歌をみんなで歌いました。
そうなると、妹はもう私なんかに興味がなくなったかのように一切こっちを見ず、ケーキにくぎ付けになっているようでした。
Nちゃんにくっついて夢中でケーキを食べようとします。
こうして、さっきのは何だったのかと疑問に思いながら、私は誕生日会を終えたのです。
ゾッとした
小さな子はNちゃん家族に関係あるのかな