拾っちゃった
投稿者:ぴ (414)
ただ、しばらくしたら金縛りが解けるどころか、金縛りの途中にお腹が急に重くなってきたのにぎくりとしました。
まるで誰かが私のお腹に座っているかのような重みを感じて、私は必死になって目を開けようと試みました。
しかし、目は開かず、おなかの重みがだんだん増えていくのです。
最初は何か軽いぬいぐるみでも置かれているような感覚でしたが、じわじわとそのお腹のぬいぐるみがどんどん重くなっていくようでした。
ぐっしょり汗をかいたと思ったら、金縛りは唐突に解けました。
ぜーぜーしながら起き上がって、私は机の鏡を確認したのです。
鏡には顔色の悪くなった自分が映っており、げっそりしていました。
疲れてもう少し眠たかったけど、でもそれ以上にさきほどのことで目が冴えてしまって、どうしても眠れなかったです。
また同じような金縛りにあったらどうしようと恐怖を感じていました。
次の日は熱が下がったので、まだヨロヨロしつつも、職場復帰しました。
でも職場に行く途中で、いつもと違うことがあったのです。
散歩中のご近所さんの犬に急に吠え立てられました。
朝よく散歩で出会う犬なのですが、いつもはしっぽをふりふりしてこっちに近づいてくる可愛い犬なのです。
なのに今日はまるで知らない人に吠え立てる番犬みたいに、思いっきり唸られ吠えたくられて、私も犬の飼い主さんもびっくりしてしまいました。
しかも怖いのが私のことではなく、なんだか私の右斜め後ろのほうを見つめて、吠えているように見えたのです。
まるでそこに何かがいるみたいに吠え、牙をむき出しにして唸ります。
飼い主さんも困ってしまって、紐をぐいぐい引っ張って吠えるのをやめさせようと必死でした。
私はなんとか道を通り抜けることができ、職場に向かったのです。
職場に行くと、職場の職員さんたちがすごく心配してくれました。
どうやら私は1日で急に痩せたように見えたらしく、普段は厳しい上司ですら「大事をとって早退したら?」とか「顔色が悪いから、一度病院で診てもらってきなさい」なんて、心配をしてくれました。
私はその言葉に甘えて、その日は早退して病院に向かったのです。
診断結果は「風邪だろう」とのことでした。
そして咳止めや風邪薬などを出してもらいました。
しかし、その病院でまた変な体験をしました。
私が病院の待合室で待っていたら、看護婦さんに「あれ?一人だけですか?」と聞かれたのです。
その言葉が気になりすぎて、私は帰り際に同じ看護婦さんに聞いてみました。
そしたら私と一緒に制服を着た若い男の子を見かけたらしいのです。
私はそれを聞いて、ぞくりとしました。
だって制服を着た男の子というワードがあきらかにこの間の歩道橋の飛び降りの子を思い出したのです。
私はそのとき、もしかして…と思いました。
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